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たのしく、はたらくひと、になれ

先週の金曜日のPM6時。

今年、定年退職で、この日が最終出社日だった上司に呼び出され、二人きり休憩室で最後の談話をする。

色々話したのだけど、この会社、いや日本社会全体がダメになっている理由はまさにこれだよな、と思えるような興味深い発言を彼がしたので、それを今から紹介したい。

それはズバリ

「俺は37年間、一度も好きな仕事なんかしたことがなかった。」

という発言だ。しかも、これを彼は決して後悔の念に駆られて言っていたのではなく、ドヤ顔で言ったのだ。

いわゆる滅私奉公を美徳として、好きでもなく楽しくもない仕事を頑張ってきたオレ、カッコイイ!

そして、そうじゃなくて、好きな仕事を楽しそうにしている輩(まあ僕のことだよね)は、仕事を私物化していてけしからん!

さすがにはっきりそうは言わないけど、彼のドヤ顔の理由は要するにこういうことだよね。

というか彼に限らずこういうメンタリティは日本人に根深くはびこっている気がしてならない。

例えば僕が電話越しにお客さんとゲラゲラ笑いながら楽しそうに話しているとき、周りからすごく冷たい視線を感じたことは、今までに何度もあったし、そのせいなのか仕事上、全く関係がない先輩や同僚から、かなり陰湿な嫌がらせを受けたのも一度や二度じゃない。

彼らの底意地の悪い卑屈な笑みはガンコな油汚れみたいに脳裏にこびりついて離れないが、彼らに対して改めてはっきりと言いたいのは、

仕事は絶対に楽しくなければいけないし、

仕事を好きになったり楽しむためにはそれ相応の努力が必要だ

ということだ。

仕事に限らず、人は楽しい気持ちじゃないと、豊かな発想はなかなか生まれてこないし、周りの人に優しくもなれない。

何より自分が幸せになれない。

だから、苦行に耐えるような仕事のやり方をしてきた人たちの発想は恐ろしく貧弱だし、彼らの目から見えている世界もまた恐ろしく貧しいものだったりする。

きっと彼らの心象風景は、あの北朝鮮みたいに殺風景な感じなんだろうし、彼らのアイデアは、決して命中しないテポドン並みにいつだって的外れだ。

そして、絶対に自分の間違いを認めない意志の強さもまたあの奇妙なツーブロックの総帥なみだったりする。

つまり、眼の前に美しい花が咲いていても、その花の美しさが分からないから、全部摘んでしまうような人々。

こういう人間が支配層になるような会社は間違いなく衰退するし、日本社会全体が衰退しているのはまさしくそういうことなんだろう。

つまり、日本インド化計画ならぬ、日本北朝鮮化計画が人知れず着々と進行しているというわけ。

僕は行きがかり上、この社会で生きていくほかないけど、自分の息子をはじめ、未来の子どもたちにはぜひ自らの手で違う社会を創造してほしい。

今や、いい学校を出て、いい会社に入ったところで、その先には、ほとんど崖しか待ってないからだ。



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