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ずっとイケてない3人

コロナがきっかけで、大学の同級生二人とオンライン飲み会を始めるようになって、これがおそらく4回目くらいだろうか。

彼らとは、とある体育会系のクラブで知り合い、典型的な幽霊部員の僕は昼の練習には全く出ないのに、全く悪びれる素振りも見せず、毎晩のようにそのうちのひとりであるMくんの下宿に転がり込んで、朝まで遊び呆けていた。

プレステ、ストツー、鉄拳、バイオハザード、週刊モーニング、週刊SPA、かわぐちかいじ、稲中卓球部、カーディガンズ、フェイス/オフ、パルプ・フィクション、落合夫人の裏ビデオ、リリー・フランキー、みうらじゅん、大量の百円マック、モーニング・グローリー、ショージのお好み焼き、賭けマージャン、四暗刻ドラドラ、徹夜明けのコンビニ 

で、ほぼ語り尽くすことができる僕らが共に過ごした青春の日々

まあ明らかにイケてる大学生ではなかった。

ド田舎に住んでたし

見た目もモサかったし

ウェイウェイ友達もいなかったし

かといって学業優良児でもなかったし

何より3人とも童帝だったし(たぶん…)

というか、女の子とかほとんど未知のクリーチャーだったしね…。

そして、それから約四半世紀の時を経た今、僕らは

かろうじてチェリーボーイではなくなったけど、

あの頃と寸分違わず見事にイケてない3人のままだった。

そんな3人の口から出てくる話題は景気のいい話なんてひとつもなくて、

でもだからといってお互いに傷を舐め合う感じゃなくて、

まあ、しゃ〜ね〜よな〜

と言い合ってる感じが、全くあの頃と同じで、それがなんとも居心地がよくてさ。

「最近、オナ○ー、週何回やってる?」

という死にたくなるくらいくだらない質問を二人に投げかけながら、

ああ俺、こいつらに実はめちゃくちゃ感謝してるわ〜

という事実にふと気づく。

まあ、絶対に本人の前では言わないけどね。

ちなみに先の僕の質問に対するKくんの回答は、

sometimes

だった。

うん、たしかにoftenではないよね(笑)

そして、

「何はともあれ、誰一人ルンペンじゃないから、とりあえず御の字だよな。」

なんてゆ〜意識低すぎな言葉で締めくくるのもなんとも僕ららしい。

あの頃、広島のど田舎で、全然イケてない、でも、とても濃密な時間をシェアリングした僕ら

広島のふぞろいの林檎たち

は2時間のオンライン飲み会を終えて、またそれぞれのイケてない日常を不器用に、鈍臭く、でも、自分には決して嘘をつかずひたすら愚直に生きていくのだろう。

ああ、そうか。

僕らがずっと変わらず友達でいられる理由がなんとなく分かったよ。

それはやはり僕らがずっとイケてない3人のままでいられたからだよね。

そんな訳で、最後にこの世に跳梁跋扈するすべてのイケオジたちに向けて愛を込めてこの言葉を捧げます。

ファックオフ!



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