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ふしだらな女が夢追いかける話


好きではなくても過去執着した人との連絡は今でも誰よりも特別で誰よりも振り回される。


私は今、大好きな人がいる一方で、半年ほど前に一度会ってから二度と会えないまま4ヶ月ほど執着していた男と久しぶりに連絡をとっている。


今ではその人に対して恋愛感情はなく(当時もあったのは恋愛感情ではなかったと思う。)、その人とどうなりたいと未来を描くことはできないけど、執着していたあの時の気持ちがぶり返して、「夢が叶うかもしれない」と無性に興奮している。


当時の夢はなんのこっちゃない、「もう一度会う」こと。


また会えることを切望して、あの人の言った「また会おう」という社交辞令を信じ続けて、今日は会えるかな今日は声聞けるかな、ああ今日も会えなかった今日も声聞けなかったと毎日心乱されて。
あの時あれほど未読無視されていたのに、電話を断られていたのに、会う約束を躱されていたのに。
まさか向こうから不在着信が入るなんて、夢みたいだ。
過去何度も見返して通知が来るのを待ち侘びたあのLINEのアイコンが今一番上にあって、通話履歴が連日あって。
半年前の私、信じられるか?


あの時あれほど待ち焦がれて絶望して夢にまで見た「また会う」ことが、もしかしたら現実になるかもしれない。
そう思うと興奮して、躍起になって。
当時とは違った感情を持っているけど、それでも間違いなくあの時抱いていた夢だったから、また夢の続きが追えると思うとワクワクする。


今の私は、好きな人がいることを自分の中ではっきりと自覚し、その人のことを心から好きだからこそ、好きでもなんでもない人と会って寝ることになんの躊躇いもない。
そんなことで私が好きな人を好きでいる気持ちが揺らぐはずがないという揺るぎない自信がある。


ちなみに、大好きな人とは付き合っていない。
というか、今まで2度しか会ったことがない。
恥ずかしいことに、執着したあの人と同じように「また会う」ことが難しくて難しくて。
たぶんもう忘れられているはずだ。

でも私が忘れられない。
いや、日を追うごとに好きになるし好きな気持ちが定着する。

今はひたすらに自分自身と向き合う時間。
もっと時間をかけて余すことなく自分と向き合って自分という人間を認識して愛せるようになったらまた、彼に連絡を取る。


今好きでもない過去執着した男と恋愛感情なしで連絡をとっているのも紛れもない自分自身で、私が知るべき自分だ。



「お前がちゃんと好きな人がいて恋愛しようとしてるなら、俺と会うのはやめた方がいいと思うけどね。」

「そうだね。まぁでもいいんじゃない?君とまた会うことが私にとっては夢だから。」


ボーッとした他人事のような感情と、夢が叶うのを目前にして興奮する感情が入り混じって、不思議な感覚だ。



あの人の通話越しのいびきを聞きながら、私はこうしてnoteを書いている。




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