会計士だからできる文章術
この記事は、レポートを書くのに悩んでいる学生さん、仕事の書類を作成しないといけない社会人といった人向けに書いています
会計士は数字を扱う仕事だから、文章は関係ないんじゃないか?
そんなことはありません!
会計士はむしろ文章を書くのがお仕事と言ってもいいです。
というのも、会計士の多くが働いている監査法人では”No paper ,No work"という言葉があります。
これは、自身がやった業務と至った結論を必ず文書化しなさい、という教えであり、文書化していない仕事はやっていないものと同じとして扱われます。
そのため、会計士は常日頃から文書を書く業務に追われております。
また、会計士試験は論文で記述をしないといけません。
会計士試験に合格した後も、資格を取得するために6つのレポート課題を課されます。これは仕事しながら書かないとといけません。
従って、会計士は文書を書く機会がかなり多く、私自身、多くの文章を書いてきました。
そのため、文章を書くノウハウがかなり溜まってきており、それを一度まとめてみれば有益なものになるんじゃないか、というのが執筆のきっかけです。
前置きはこれくらいにして、さっそく文章術について書いていこいうと思います。
相手の間違いを指摘する時に。あるべき論→現状のギャップ→結論
会計士は、お客様の会計処理が間違っている場合、それを修正してもらうように指導する必要があります。
そのため、修正箇所を文章でまとめてお伝えする場合もあるのですが、その時に使っている文章の型です。
まず最初に、会計基準に則った会計のあるべき論を示します。
次に、しかし現状の会計処理は違っていることを指摘。結論として修正を依頼する、というかたちになります。
①あるべき論
「このPCは本来備品として計上しなければなりません。」
②現状のギャップ
「しかし、現状PCは消耗品として費用処理されています。」
③結論
「そのため、費用処理を取り止め、備品として計上しなおす必要があります。」
この手法で書いていきます。
①あるべき論のところには、根拠となる法令や基準を記載するようにしましょう。
単に「直してください」とお客様に言うだけでは、相手側の納得や理解をひきだせません。
納得や理解が無しにとにかくやってもらおうとすると、こちらの意図と違った処理をしてしまったり、相手の動きが鈍かったりと悪影響がでます。
説得力を増すテクニックとして、権威性というものを使う手法があります。
権威性とは、偉い先生や有名人、学説が言っていることは、つい本当のことだと信じてしまうといった心理のことです。
○○先生がおっしゃっていることです、法律の○○条に記載されています、というように使用することで、自身の説に説得力をもたせることができます。
監査法人の会計士からすれば、修正をお願いする相手はお客様なので、立場としては相手の方が上になります。
そのため、修正依頼をするときはそれなりの説得力を持たせる必要があります。
そういった、目上の相手にこちらの言うことを聞いてもらう方法として、法令や条文の権威性を借りることは重用なテクニックとなってきます。
現状のギャップ(間違っている箇所)を述べる時は、端的に伝えましょう。
もってまわった言い方をするほど相手には伝わりずらくなります。
シンプルに文章を書くことを心掛けましょう。そして、できるだけ具体的に書くことです。(先ほどの例だと、○○日に購入された△△というパソコン、という書き方だとより具体的でしょう。)
文章を素早く書く方法
記載しなければいけない、書かないといけない文章が大量にある場合、なにより大事なのは執筆のスピードです。
素早く大量に書けることは、質の向上にもつながります。
素早く書くことで、文章を推敲する余裕が生まれ、大量に書いた事項を削って削って削っていくことで、無駄をそぎ落とした文章にしていくことができます。
ここで大事な文章をスピーディーに書く方法を記載していきます。
①文章構成を最初に決める
最重要なのが、実際に文章を書き始める前に、何を書くか、どういう構成で書くかを決めることです。
例えばこの記事でしたら、まず会計士ならではの文章術、というテーマで書こうと決めました。
そして、最初に仕事でよく使うあるべき論→実際の状態→結論というものを書いていこう。そして次は・・・
というように、書くことを決めていきます。
これは、どこかにメモを取っておいて、それを見ながら書いていくと効率的です。
書くネタに困っているようでしたら、情報収集を行います。
②複数の本やサイトで、使えそうな箇所を切り取っていく
書くにあたっての情報収集を行っていきます。
複数のサイトや本を使うのですが、先ほど決めた文章構成にしたがって、どの資料のどの箇所が使えそうかを抜き取っていきます。
情報収集の効率を上げるためにも、事前に文章構成を決めることが大事に
なってきます。
また、情報を収集する上で、追加で書いた方がいいなという箇所が見つかったら、それを文章構成に組み込んでいきます。
文章構成と情報収集を相互に行うことで、より書くことが研ぎ澄まされていきます。
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