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日本の人身事故、そしてガザの空爆

こんな記事を最初の記事として書くのはどうかと思うけど、とどめておくのも苦しいし、書いて整理できることもあるので、書いてみようと思う。
(共感能力が高すぎたり、想像力がありすぎる人は読むのを控えたほうが良いかも知れないです・・・)

あ、これは近いな・・・

最近、人生で初めて電車の人身事故の現場に遭遇してしまった。
かなりの急ブレーキがかかり、一瞬で「あ、かなり近いところで起きたんだな?!」ということは分かった。
でも、まさがそれが自分たちの電車だったとは思わなかった。

前に後ろにバタバタと走る駅員さんたち。そしてしばらくして消防隊員が到着。手には何か救命救急キットのようなものが運ばれているが、現状はよく分からない。でも、関係者がみんなオロオロしている感じもあった。続々と警察関係者や救急隊員の人たちが大勢ホームに入ってきた。警察関係者の人は調書のようなものを持って走っていた。そして、そんな光景をガラス越しに見ながら、私たちは電車のドアは閉められたままなので、出ることもできなかった。さらに、電車の車両がなぜかホーム側に少し傾いていたので、状況を把握しようにも、社内の風景が窓ガラスに反射していて、外で何が起こっているのかさっぱり分からなかった。

こんな感じで、私たち乗客は何が起きているかわからないまましばらく放置されていた。友人と私は不安なまま、待つことしかできなかった。

知りたくなかった・・・

しばらくすると、向かい側のホームの方にオレンジの服を着た消防隊員の人たちが担架やはしご?のようなものを持って移動していた。そして、懐中電灯で電車の下を照らして一生懸命何かを探していた。

私は急いでツイッターを見た。すると、該当する人身事故の様子を書いている人たちがいた。「迷惑だからやめて欲しい」といったツイートがほとんどで、その中に、「身体はバラバラらしい」というツイートを見つけた。(人が亡くなっているのに、大半の人が「迷惑」としか思えないというのが、日本の闇を物語っている気がする。でも私も毎日電車通勤してたときは、そう思っていたと思う。)

ああ、関係者が必死になって電車の下あたりを探していたのはそういうことか・・・と、知りたくなかった気持ちにもなった。それも、ご遺体は、まさに隣の車両の下当たりにあるようだった。私たち、乗客は、見ず知らずの誰かの命の最後にこうして不幸な形で居合わせてしまった。

パレスチナ・ガザ地区でのある記憶・・・

そして、「身体がバラバラ」という言葉を聞いて、私はとあることをすぐに思い出した。実は私は2ヶ月前にパレスチナ・ガザ地区の病院でも同じ言葉を聞いていたのだ。それは、2021年のガザ空爆でイスラエルによる爆撃を受け、病院で寝たきりになっている31歳のムハンマドさんのお母さんからの言葉だった。医療活動の一環でリハビリ病院の病室を回っていた際、「爆撃で息子の家族の身体は飛び散ってバラバラになってしまったの。息子だけが生き残ったの」と目以外を隠した、敬虔なイスラム教徒の服装をしたお母さんが訴えてきたのだった。

ムハンマドさんは、その時に脳を損傷した後遺症で、身体はやせ細り、言葉もうまく話せなくなってしまった。彼は、爆撃により、妻と幼い2人の子どもを一気に失ったそうだ。

こんな短期間に「身体がバラバラ」という表現を二回も見たり聞いたりするというのは非常に辛く悲しい偶然だが、電車を降りてからもこのシンクロについて悶々と考えてしまった。

片方は生きたくても生きられず、勝手に外部の力によって終わらせられた命。もう一方は自ら命を絶って自由になりたくて、望んで終わった命。

でも、本当に人身事故のケースも、命を終えたかったのだろうか。

生と死のはざまで・・・

後で色々友人に聞いたり、自分で調べてみたところ、駅のホームでの人身事故のケースは、飛び込もうかな、どうしようかな、と何日も悩んで決断できないまま、ふっとやってくる電車を見た際に、「今、飛び込んだら楽になる」と思って、突発的に飛び込む例も多いのだという。まさに生と死の間で悩んで、早く楽になりたいばかりにたまたま死を選んでしまったのかも知れない。

また、ネットで探してみたところ、「○○の人身事故のその後を知る方はいませんか?生きていて欲しいのですが・・・」といった、別の人身事故に関する書き込みも見つけた。その人はたまたま人身事故が起こった際に、ホームに居合わせたそうで、自分が何もできなかったことを悔やみ続けているようだった(今回も、目の前で飛び込むのを見てしまった、というツイートがあった)。そういえば、駅員さんが、「誰か目撃者はいませんかー!?」と、叫んでいたのを思い出した。周りに絶対人がいたはずで、その瞬間を見てしまった人が少なからずいたわけだ。その人たちの心の傷も計り知れない。駅員さんもこういったことを見てしまい、深刻なPTSDになる人もいるそうだ。飛び込む人が最後に目が合うのは車掌さんなので、車掌さんの中にはもそのトラウマから、仕事を辞めてしまう人もいると鉄道関係者の友人から聞いたことがある。

その夜、しばらく電車が止まっていたので、解放されるや否や、20分かけて友人とその駅から一番近い別路線の駅まで歩いて帰った。夜道だったこともあり、一人でなくて助かった、と思った。なんだか歩いた心地がしなかったが。

その後・・・

その夜、私は海外で財布とスマホの入ったカバンを盗まれる、散々な(怖い)夢をうなされながら見た。かなり恐怖心が残ったまま目が覚めたが、恐怖を感じるというのも、生きているという証拠なのだ・・・とかなんとか思いながら夢占いを調べてみた。すると、「実は財布を盗まれるというのは、逆の意味となり、運気が上がる前触れです」といったようなことが書いてあった。

(豊作の象徴のザクロ・・・赤くなる前の写真)

まったく運気が上がる気もせず、むしろ亡くなった方への罪悪感の気持ちから、そんなことを言ってくる数々の夢占いブログに対して嫌悪感もあったが、亡くなった人たちの想いを無駄にしないために私に今すぐできることは「今、その感情を存分に味わう」ということなのかな、となんとなく思った。辛くても、悲しくても、嬉しくても、楽しくても、全ての感情は生きてないと味わうことができないから。それを生きている者の特権として、思う存分、味わおうと思う。どうか、ガザの空爆で亡くなったご家族も、人身事故で命を絶った方も、天国ではせめて苦しみから解放されて、安らぎに満ち溢れた日々を送っていて欲しい。

天国って・・・

できればガザのご家族とその人身事故で亡くなった方が天国で会って、

パレ人「あらあなた日本人?自○してこっちに来たのね・・・。パレスチナでは自○は宗教で禁止されているからまずできないのよ。日本はなぜ自○する人が多いの?」
日本人「そうですね・・・仕事の失敗からとか、孤立感とか、病気の苦しみとか、生きている意味を見出せなくなったときに最後の手段として・・・」
パレ人「仕事!?命より大事なものなんてないわよ!それよりあなた、悩み事があるのね?うちの子どもたちも日本人に会えたら喜ぶわ!うちに来てコーヒー飲んでいきなさいよ!話はそれからよ・・・!」

(アラビックコーヒーといちじく)

宗教が自〇をどう考えるか

・・・と、アラブ人のホスピタリティを体験してくれていたらいいなと思ってしまう。あ、でも宗教違うと行く天国も違うのか・・・というか、自○だったらイスラム教的には天国にいけないけど・・・。仏教徒の場合、どうなるんだ?と思ったら、悲しいことに、仏教徒の場合も、生前に一度でも殺生をしていると、地獄行きだそう。これは魚とかでも殺生に入るそうで。自○をしてはいけない詳しい理由は下記に分かりやすく書いてあるので参考まで。

・・・とまあ、色々なことを考えてしまった出来事だった。
天国か地獄かの話は置いておいて、心よりご冥福をお祈りいたします。
あの場に居合わせた者として、他人が生きる意味を感じられるお手伝いをしたり、自分もどんな境遇になっても「生きること」を味わっていこうと思う。

また、この問題について取り組んでいる団体があります。支援をしたいなと思ったら下記のリストもご参考に!!

※ちなみに、ホームから落ちて亡くなる方の中には、目が見えなくて誤って落ちてしまう方、後ろから押された方、酔っていた方(私の兄の昔の同級生も、東京の名門大学に進学した後すぐ、新歓シーズンに酔って駅のホームから転落して亡くなったらしい)など、自○以外にも様々な理由で亡くなる方がいます。いかなる理由があるにせよ、どの駅にもホームドアの設置をお願いしたいです!



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