『ドイツ人はなぜ年290万円でも生活が「豊か」なのか 熊谷徹』
私は今まで『自分の自由な時間を持つこと』が自分にとって、どれほど重要かを理解していなかった。
小学校高学年の頃、毎朝学校に行きたくないと思っていた。今でも仲良くしている友人もいたし、勉強も嫌いではなかった。
でも何故か分からないけど、毎朝嫌だなぁと思っていたし、『6年って長過ぎだよな..』とも思っていた。
中学、高校は3年で終わると思うと、気が楽で小学校ほど嫌ではなかった。
大学では、ドラムを叩いてみたくてサークルに入ったが、ライブのビラ配りの為に下北集合!などと、練習以外のことで度々呼び出されるのが嫌で、辞めてしまった。
社会人になってからは、週5日勤務は多すぎる。連休も短すぎる。
早く老後になって欲しい...と本気で思っていた。
大学でのサークル活動は、皆楽しそうにやっていたし、社会人になれば週5勤務で連休はGW、お盆、正月だけなのは、当たり前。
それをこんなにしんどく感じる自分て、社会不適合者なのかもな...と思った。
本書のこの一文に、ハッとした。
ドイツでは多くの労働者が給料より、休暇日数のアップを希望するらしい。
また、年に2〜3週間のまとまった休暇を取得するのは当たり前。
ドイツ人は『自分の時間を持つこと』『ゆとりのある生活をすること』(ここで言うゆとりは金銭的なものではなく、時間のことだろう)が人生で最も重要だという価値観の人が多いようだ。
それを知った時、自分が今まで感じてきた漠然とした不足感が理解できた気がした。
勉強も仕事も嫌じゃなかった。
ドラムの練習は好きだった。
ただ、それらによって『自分の自由な時間』が自分にとって充分に、確保出来なくなるのが嫌だったのだと思う。
これも身に覚えがある。
社会人になると、私はそれまで好きだったことよりもショッピングを1番の娯楽として、給料やボーナスが入ると必ず買い物に繰り出した。
しかも目的の品物は特にない。
買い物をすること自体が目的になっていた。
日本の企業で働く以上、いくらドイツの例を出してみても無意味だし、多くの日本人が企業のやり方に沿って生きているのだから、自分が日本の会社にとって不適合者だったのも分かっている。
でも自分にとって何が嫌だったのか、何が足りなくて、何が必要だったのか。
それを理解して、自分が心地よく暮らせる方法を考える。
そうすることによって、朝になる度に憂鬱になったり、お金を消費することでストレスを発散しようとすることはなくなるのではないだろうか。
☆私は今ドイツの暮らしに興味を持っているので、先日はこちらの読書感想文も書きました。
併せて読んでいただけたら、嬉しいです。
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