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フェアな空間



『バー』と聞くとどんなことが思い浮かぶだろうか

お金持ちの大人が行くところ
キラキラした夜の世界
お酒の好きな人の溜まり場
なんだか危なくて怪しい感じ

いろんなイメージがあると思うが、現在私はその『バー』でアルバイトをしている。



きっかけは通りすがりに見たアルバイト募集の看板。当時は他にアルバイトをしていたが、
もっと稼ぎたかったし、大学の授業をほぼ取り終えてなにしろ時間が有り余っていた。しかも水商売だけあって高時給。


不安もあったが一度社会経験として夜の世界を見てみたかったこともあり、すぐに連絡を取って私は夜の世界へと飛び込んだ。


働き始めて今日でちょうど2ヶ月半。
これまでバーで感じたことや学んだことを振り返ってみる。


1.心の余裕はお金の余裕
私の働くバーに来店されるお客さんは、医者や社長、会長といった富裕層が特に多い。このクラスになってくると会計時にお釣りは絶対受け取らない。人生で始めてブラックカードやプラチナカードを見た時のあの興奮は本物だった。
こういういわゆるお金持ちと言われる人たちは、発言、行動、振る舞い全てに余裕があるように私には見える。
やっぱり心の余裕はお金の余裕と比例しているのだろうか

2.自然と作り出されるフェアな空間
特にカウンターはとてもフェアな空間に感じる。大企業の社長であれ大学生であれ、カウンターに座ればみな対等な関係でいられると思うのである。
性別や年齢、職種、国籍に捉われず、
それぞれがお酒を嗜みながら思い思いに話をする。時には、いやその話の大半が下ネタだったりするのだが、それはそれで人間味があって良いじゃない。
先日来店したどうやら凄腕の持ち主らしいお医者さんは、女性のタイプの話を発端に、
「おっぱい派」か「おしり派」かを真剣に議論している光景を見て、日本の未来はまだ明るいと本気で思えた。

3.お酒でなく“店そのもの”に価値があった
バーと飲食店では決定的に違うものがある。
それは “何を売りにするか。”
飲食店はそこでしか食べられない料理やその味を武器に集客する。一方で、酒のみを提供するバーは、正直なところ味やクオリティーはどこも同じなのだ。
大事にすべきは、扱う酒種の数や価格帯ではなく、“店そのもの”だということに気がついた。
いかにお客さんにとって居心地の良い時間を作り出せるか、そこで生まれる会話や雰囲気そのものにバーとしての価値があるのではないだろうか


このように私にとってバーテンダーという職業体験は日々新しい発見や違った観点をくれる。

正直めちゃくちゃ楽しい。
このひと言に尽きる。

帰り際にお客さんから
「名前聞いといて良いかい?」
「何曜日出てるの?」
「また会いに来るね!」
と言ってもらえたそのことばが明日のエネルギーへと繋がる。

私はこの職場がだいすきだ
今日も元気に行ってきます!



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