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出版系スタートアップが社内エンジニアを必要としている理由

はじめまして、株式会社ナンバーナインでエンジニアをしている糟谷です。

2018年にナンバーナインにジョインし、そこから殆どの時間を一人エンジニアとして仕事をしてきました。要望ヒアリングから仕様決め、実装テスト運用と、全てを一人でやるのはそれはそれで楽しいのですが、最近は会社が成長してきた影響で、やりたいことに対して手が圧倒的に足りなくなってきました。

そのため、現在ナンバーナインではエンジニアの募集を行なっています。

が、いまいち芳しくありません。
原因を考えてみると、何が仕事で、何を求められているのか想像しにくいのではないか?と思い当たりました。

エンジニアの方であればIT系のユーザ企業やSIerでの仕事内容は想像出来るとは思いますが、ナンバーナインはIT企業ではありません。
なので、今回は出版系スタートアップの社内エンジニアが何をしているのか、何を求めているのかを書こうと思います。

そもそもエンジニアの仕事とは?

結論から言ってしまうと、仕組みシステム作ってエンジニアリング課題を解決することです。

エンジニアと聞くとプログラミングをする人と思いがちですが、それは少し違います。何故ならお金を稼いでいるのはプログラムそれ自体ではなく、プログラムを利用した(りしなかったりする)ビジネスだからです。ビジネス上の課題をシステムだったりプログラムだったりを使って解決することでようやくお金に結びつくわけです。
ユーザに必要なのは、プログラムではなく課題解決なのです。
プログラムがお金になるわけではないのに、プログラムを作ることでお金が貰えると思うのは、少し奇妙です。

IT企業であれば、エンドユーザの課題をエンジニアリングで解決することがメインとなり、花形の印象があるかもしれません。
しかし、ナンバーナインにおいてエンジニアは裏方です。エンドユーザ=漫画家さんの課題を解決することもありますが、メインは社内の各チームの課題を探し、聞き取り、解決することです。
だからこそ色々と出来ることがあり、面白い仕事だと感じています。

普段やっていること

ナンバーナインでのエンジニアの仕事は、大きく三つあります。

  1. 情報整理

  2. 自動化

  3. ユーザコミュニケーションの設計

です。

情報整理とは、情報をシンプルにして扱いやすくすることを言います。
たとえば社内の各チームが必要な情報をまとめて依頼方法やフローを決める、営業が作家さんの管理に使うツールの運用方法の相談にのる、作家さんや作品の情報を簡単に収集・閲覧出来る機能を作る、印税率を間違いのないよう保存・編集出来る機能を作る、などがあります。
シンプルに整理された情報を扱うことで、社内で何度も同じようなタスクをすることを避けられたり、間違いが起こるリスクを軽減することができます。

自動化はその名の通り、タスクを自動化し、タスク自体をなくしてしまうことを言います。
たとえば毎月行なっている印税額の計算は、145ストアに配信している7500冊以上の売上をそれぞれ料率の異なる2000人以上のユーザに分配する必要があり、人間が計算していたらそれだけで一ヶ月経ってしまいます。それを数クリックで行えるように自動化すれば、その分他のタスクに時間を割けるようになります。

ユーザコミュニケーションの設計とは、主にデジタル配信サービス「ナンバーナイン」の機能を考えるということになります。
サービスと名乗ってはいますが、裏にはたくさんの人間が働いており、「ナンバーナイン」というサイトはあくまでユーザ=漫画家さんとのコミュニケーション手段の一つだと捉えています。メールでやりとりしていた書誌情報や漫画データをWebで簡単にやりとり出来るようにしたり、日次でダウンロード数を見れるようにしたりと、より簡単に、よりわかりやすく、より便利にコミュニケーションするには何が必要かを日々考えています。
まだまだ出来ることは少ないですが、これからもどんどん増やしていきたい部分です。

これらは一見地味な仕事に見えるかもしれませんが、とても面白くやりがいのある仕事だと思っています。
一言で言うと自分の仕事が業務全体を変えていく手触りのある仕事だからです。
自分が自動化したことによってタスクが減って新しいチャレンジが出来るようになったり、機能同士を組み合わせていくことで全く新しい体験が生まれたりと、自分の仕事が直接業務を変化させていきます。この体験は、依頼されて機能開発をするSIerや、何十人もエンジニアのいる大規模なIT企業では体験出来ない、非ITスタートアップのエンジニアだからこその面白みです。

プログラミングは手段

上述した仕事を行う方法としては、フルスクラッチでシステムを組むだけでなく、スプレッドシートやGoogleFormを使ったり、既存のSaaSをよりよく使う方法を考えたり、何も作らず業務フローの改善だけ行なったりと、様々なやり方があります。
プログラミングは手段の一つに過ぎません。

特に、業務が固まりきっていない初期の段階では、一度システムを組んでしまうと、新しいことをしようとしたときにシステム改修が間に合わず、やりたいことが出来なくなることがあります。事業自体が流動的な時期には出来るだけ作らない、作るとしても簡単に改修出来る物にすることが必要になったりするのです。逆にお金を扱う場合など、信頼性を高く保たなければいけない場合には0からシステムを組まないといけない場合もあります。

プログラミングは手段の一つに過ぎません。
一つに過ぎませんが、必須の手段でもあります。
プログラミングの技術を習得し、その上で、どうやって作るかよりも何を作るかを考えることが大事なのです。

社内にエンジニアが要る理由

エンジニアの仕事は課題を探り、解決策を考え、実行することです。
そして、正しく課題を見つけ、解決策を考えるには会社のことをよく知っている必要があります。

仕事の効率化・自動化を進めていくと、その業務の存在をエンジニアしか知らないという状況が生まれます。
社内の誰のタスクでもなくなり、目の前から消えた業務は、全員がすぐに忘れてしまいますが、それでもエンジニアは保守をし続ける必要があります。そして、新しい業務はそういった他の人からは見えないタスクの合間に入り込み、業務を理解していないと「今まで問題なかった部分がおかしくなる」という状況が生まれます。
そのため、エンジニアは業務に精通している必要があるのです。

社内にいつも居る人というのが大事な場面もあります。
「案を用意してから相談しろ」と教育されている優秀な人たちは、大きいと思っている問題ほど解決の糸口が掴めず、とりあえずで相談をしに来てくれない傾向があります。
そういった課題はSlack上での何気ない会話や喫煙所での雑談、飲み会での愚痴から表出することがあります。しかしそれらは、実はエンジニアからしたら簡単に解決できる問題だったり、とても優先度の高い課題だったりするのです。

そして、解決策を考える人と実行する人は可能な限り同じであるべきです。
頭を動かしたのと同じ人が手を動かし、手を動かしたフィードバックでまた頭を動かすという繰り返しが、より良い物を作るために必要だからです。余談ですが、コードを書かずにドキュメントだけ書いて設計したと言っているのは謎だなと常々思ってます。一番詳細な設計がコードでしょ?最後までやりなよ。
もちろん、考える人と実行する人を別にした上でフィードバックを繰り返すことも可能です。しかし、同じ人が行うのに比べるとコミュニケーションによるロスが生まれてしまい、一番大事なことが伝わらない、伝えるのに時間がかかるという問題があります。フェーズによって人を分けるのは、規模が大きくなってしまった際に仕方なくやることであって、可能な限り避けるべきことなのです。

これらが、フリーランスや副業ではなく、社員としてエンジニアが居ることの意味だと考えています。

「何を」より大事なことは「誰と」

業務全体に影響があるからこそ、解決策を考え実行する人が誰なのか。その人は何を目標としているかが大事になります。
コード書きたいでも、技術力を高めたいでも、漫画に貢献したいでも、漫画家さんに会いたいでも、なんでもいいです。その目標のために必要なことは何か、今できることは何か、会社の目標と重なる部分はどこなのかを考え実行し続けていくことで、その人自身も会社も一緒に成長していけます。
僕の場合はより良いコード、より使ってもらえる製品が作りたいという目標があり、そのために技術を磨き、会社や業界のことを知り、漫画や漫画家さんのことを知ろうと努力をしていて、それが結果として会社への貢献につながっていると思っています。社内にはとある漫画家さんに会うことを最大の目標にして日々大量の業務を行なっている人もいます。
漫画の会社、言ってしまえばオタクの会社だからこそ、好きのために努力して、一緒に成長していける人と一緒に仕事がしたいと思っています。

最初に言った通り、会社の成長に伴ってやりたいことがどんどん増え、一人で行う仕事には限界が来ています。
ナンバーナインでは、自分の好きのために、何を作るか一緒に考えてくれる人を募集しています。
エンジニア以外の職種もあるので、とりあえず話を聞くだけでもお気軽にどうぞ。

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