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トラウマに悩む方へ

PTSD、CPTSDの方にとっては過食嘔吐や自傷行為などは一つのストレスコーピングとしての機能を有している。というのは、このような行為と感情の体験が、自分の行動、認知を自分で制御できる(コントローラブル)という感覚を持てるからである。動物実験による神経生物学的研究では、状況の統制可能性を司る部位、つまり学習性無力感に関与する部位がPTSDにおいて特に影響を受けることが知られている。であるから、PTSDのサバイバーが統制不可能性の中で、自らを律しようと、制御しようとして、その状況下で選択するしかなかった行動、という視点は非常に重要で、当然のことである。だから自傷行為や過食嘔吐が直ちに「悪い」ものと排除するよりは、適応的な側面も取り上げ、より安全な制御可能な行動を提案し考えていくことが必要である。また、この「やめたいけどやめれない」行動には「自分はこの行動に値する人間でしかないんだ」という自己卑下や罪悪感があったりする。その行為が最終的には自分の体を蝕んでいくのは分かっていてもだ。しかしながら本当に、蝕んでいるのは、貴方方サバイバー自身ではなく、トラウマの加害者に責任がある。それは変えようのない事実だ。そんな不公平な事実にもかかわらず,貴方は今、どんな状況だとしても一応生きていている。こんなに強い人はいるだろうか?と私は思う。 でも、安全ではなく、今この瞬間瞬間が辛くて息を吐くのも一苦労という時期はあると思う。一切の人生に対する楽観視をできない時期もある。だから、今生きているだけで凄いんだ!強いんだ!ということ伝えたい。その後で、ゆっくりお風呂に入ったり、美味しい食べ物を食べたり、何もしなかったり、したらいいと思う。

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