理解する英文法4️⃣〈関係詞・比較〉

関係代名詞や関係副詞、比較といえば、英文法の中でもつまずく人が多い単元ですね。そんな文法事項について見ていきましょう。


関係詞 (relative)

文中の名詞についての説明を加えるとき、日本語では「鼻が長いゾウ」のように、その名詞の前に説明する節を置きます。これを「前置修飾」と呼びます。他方で、英語は基本的に名詞の後ろにそれを説明する節がくる「後置修飾」です。

関係詞とは、名詞を修飾(説明)する節の前に置かれる語です。この関係詞が導く節(=関係詞から続いているかたまり)に修飾される名詞のことを先行詞(antecedent) と呼びます。先行詞は、後置修飾している節に元々あった名詞または副詞が、節の先頭に置かれるときに変化したものです。

すなわち,これから説明する「関係代名詞」とは元々あった名詞を置き換えた代名詞の一種であり、同様に「関係副詞」は副詞の一種です。したがって、文と文を繋ぐような接続詞の役割は持たないことに注意してください。

関係代名詞 (relative pronoun)

関係代名詞にはthat, which, who, whom, whoseの5種類があります。

関係代名詞が導く節は、元々完全文でしたが、文中にあった名詞が関係代名詞となり節の先頭に出てきたため、関係代名詞の後ろの節は名詞が一つ欠落しています。

なお、先行詞は関係代名詞の直前にある場合が多いです。

関係代名詞を用いた文の作り方

A: The man will come to dinner. B: You met him on Saturday.

上の2文とほぼ同じ内容を関係代名詞を用いると1文で表すことができます。

  1. 2つの文の中で共通する物/人を指す名詞(以下「共通名詞」)を探す(上の2文では"the man"と"him")

  2. 片方の文(A)の共通名詞(the man) までをそのまま書く
    The man

  3. 続きにもう一方の文(B)を書き、元の文の残りを後ろに付け足す
    The man you met him on Saturday will come to dinner.

  4. (B)の中の共通名詞(him)を関係代名詞に置き換えて(B)の節の先頭に出す
    The man whom you met on Saturday will come to dinner.

共通名詞が元々、主語の位置にあったなら主格、目的語の位置なら目的格、"my"や"your"のような所有格の名詞なら所有格の関係代名詞で置き換えます。

先行詞が「人」なら"who(m)"、「物」なら"which"を用います。"that"は「人」と「物」のいずれでも使えます。

"who(m)", "which", "whose"と"that"の違いは次のようなものがあります。

  • that は非制限用法を持たない

  • 先行詞に最上級の形容詞やthe first, the last, the only, the veryのような「唯一の」という限定的な意味に修飾する語がつく場合はthatが好まれます(ただし、人が先行詞の場合はwhoを用いるのが普通です)
    例)
    The final game of WBC was the best game of baseball that I’ve ever seen.「WBC の最終戦は私が今まで見た中で最高の試合だった」

  • 先行詞にall, anything,everything のような限定の意味の強い代名詞が含まれるときにはthatが好まれます
    例)
    These ruins are all that remain.「現存するのはこれらの遺跡だけだ」

複合関係代名詞

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