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7秒タイムマシン 第10話 時間の狭間で出会った男

第10話 時間の狭間で出会った男


レンは、男の言葉に耳を傾けた。

「時間の狭間では、私たち二人の力を合わせることで、時間の流れをより正確にコントロールできるのです」

「でも、私一人でも時間を操れるようになったのに、なぜ二人で行動する必要があるのですか?」

「あなたの力だけでは、時空を大きく歪める危険性があります。私の力を借りることで、その危険を最小限に抑えられるのです」

レンは男の説明に少し不安を感じていたが、家族を救う一心で、提案に同意した。

二人は力を合わせ、時間の狭間から飛び立った。

しかし、予期せぬ出来事が起きた。

時間の渦が激しく揺れ動き始めたのだ。

「な、なんだ!?」

レンは必死に操作を続けるが、時間の流れがコントロールできなくなっていく。

「ダメだ、何か大変なことが起きている...!」

そして、次の瞬間、レンと男は時間の渦に呑み込まれてしまった。

目が覚めると、二人は見知らぬ場所に立っていた。

「ここは...!?」

周りを見渡すと、まるで別世界のような光景が広がっていた。

「時間の流れが... 狂っているのか?」

レンは、7秒タイムマシンの操作に失敗したのか、まったく見当がつかなかった。

「一体、何が起きたのですか?」

レンは、男に詰め寄った。

「私も、よくわかりません。時間の渦に巻き込まれてしまったようですね」

男は落ち着いた口調で答えた。

「でも、私たちは無事に着地できたようですから、まだ希望はあります」

「希望?」

レンは、男の言葉に疑問を感じた。

「私たちが時間の渦に巻き込まれたということは、時空が大きく歪んでいるということです」

男は、周囲を見渡しながら続けた。

「つまり、私たちは望んでいた過去に戻ることができないのかもしれません」

レンの表情が曇る。

「そ、そんな...! 俺は家族を救うために、ここまで来たのに...」

「落ち着いてください、レン。私たちには今でも可能性が残されているのです」

「時間の渦に巻き込まれたということは、私たちが別の時間軸に飛ばされた可能性があります」

「別の時間軸...!?」

「ええ。私たちには、この世界を救う機会が与えられたのかもしれません」

男は、レンを真剣な眼差しで見つめた。

「時間を操る力を持つ私たちだからこそ、ここで何かできるはずです」

レンは、男の言葉に希望を感じ始めた。

「そ、そうですね。俺たちには、まだ家族を救う機会があるのかもしれない」

レンは、男の言葉に少しだけ安心した。

二人は、見知らぬ場所を探索しながら、次なる行動を模索していった。

そこには、彼らの想像を超えるような光景が広がっていた。

人工知能のような存在が行き交い、異様な建造物が立ち並んでいた。

「一体、ここはどこなのでしょうか...?」

レンは、不安と期待が入り混じる複雑な表情を浮かべていた。

果たして、レンと男は時間の渦に巻き込まれたこの世界を救うことができるのか!?

新たな展開に、レンの心は高鳴っていた。



#創作大賞2024 #ミステリー小説部門 #タイムマシン


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