見出し画像

7秒タイムマシン 第16話 無意識に事故を回避したレン

第16話 無意識に事故を回避したレン


レンはついに、元の世界に戻ることができたのだ。

レンは10年前の事故の起こる7秒前の車の中に戻った。

次の瞬間…!

「ぎゃー」
レンは、大声で叫んで急ブレーキをかけた。

「な、なんだ!?今男が飛び込んできた。人をひいたかもしれない」

レンは、車を停めて恐る恐る車の前を見るが、何にもない!

「あれっ!確かに男が飛び出してきたはずだが…!」

レンは、暫く考えていたが、夢でも見たかな?
そう思うことにして、車に乗って帰ることにした。

「エミリ、アヤカ大丈夫だったか?」
2人とも大丈夫みたいだった。ホッとした。

レンは、記憶を消去されていたので、気が付いていないが、

レンたちは、無事に事故を回避していたのだ!

しかし、自分が7秒前の時間に戻ってきたことや、男の存在については全く覚えていなかった。

「よかった、二人とも無事だったみたいだな」

レンは、ふと自分の行動を振り返った。

「あれ? あんなに急ブレーキをかけたのに、何も無かったのは不思議だな」

レンは、自分の不思議な反応に疑問を感じていた。

そこに、男の姿が現れた。

「レン、よくやりました。あなたの行動によって、事故は回避できたようですね」

レンは、男の姿に驚いた。

「あなたは...!? 誰ですか?」

男は、優しく語りかけた。

「あなたは、7秒前の時間に戻って、事故を回避したのです」

レンは、混乱した表情を浮かべる。

「7秒前の時間に戻った? 事故を回避した? 一体何が起きているんだ!?」

男は、レンの反応を察して説明を始めた。

「あなたは、事故を回避するために、時間を操る力を得ていたのです。そして、今回もその力が発動し、無意識のうちに事故を回避したのです」

レンは、男の言葉を黙って聞いた。

「何言ってんだろう!?」

男は、レンの理解を確かめるように言った。

「はい、あなたの心の奥底にある家族を守りたいという強い思いが、時間を操る力を引き出したのです。しかし、あなたはその力の存在を忘れていたので、あなたの無意識の反応によって事故が回避されたのです」

レンは、変な顔して聞いていた。

「この男、何言ってんだろう?ちょっと怖いし、言ってる意味が分からない!」

男は、頷いて答えた。

「あなたの心の奥底にある家族を守りたいという思いが、時間を操る力を発動させたのです。それがなければ、今回の事故も起きていたでしょう」

レンは、安堵の表情を浮かべた。

男は、レンの表情を見つめながら続けた。

「わかりますか?」

男は、レンの不安を和らげるように答えた。

「それは、時間の狭間から抜け出すための代償でした。あなたはエミリさんとアヤカさんを救うために、自らの記憶を捨てたのです」

レンは、動揺を隠せずに訊ねた。

「俺の記憶を捨てた? そんな事あるわけないじゃないか」

男は、優しく語りかけた。

「ですが、それ以外には時間の狭間から抜け出す方法がなかったのです。あなたはエミリさんとアヤカさんを救うために、自らの記憶を捨てる決断をしたのです」

レンは、頭の中が混乱して訳が分からない いくら考えても分からない!



ありがとうございました。

では、また!

#7秒タイムマシン #記憶を消去

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?