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尊富士の優勝がきっかけで、相撲ビギナーが相撲について調べてみた。

3月24日の日曜日、夜の報道番組でとあるスポーツニュースを耳にしました。

「大相撲春場所、新入幕110年ぶりの快挙!」

メジャーリーグ大谷選手の元通訳による不祥事が格界隈を震撼させていた中での明るいニュースです。私は思わず「なんかすごいことなんだ。」と思うと同時に、はっとさせられました。

私、もう30年も生きてるのに、相撲についてなんにも知らない・・・。
「しんにゅうまく」ってなんだ?なんでスゴイって言われてるの??

人間、関心寄せなければずーっと知らないままでいられるんだなぁ、なんて悟る一方、日本の国技といわれる相撲について知識ゼロでいるのはよろしくない!

なので、今回自分への戒めもこめて、「新入幕110年ぶりの快挙!」の理由と、ビギナー目線での相撲の知識を、簡単ですがお伝えしたいと思います。


大相撲・春場所で何が起こったか?

尊富士がその快挙を成し遂げたのは、3月24日の日曜日、エディオンアリーナ大阪で行われた大相撲・春場所の千秋楽(最終日)でした。

前日の取組(=試合)で右足靭帯を痛めるアクシデントがあったにも関わらず、取組相手の豪ノ山を”押し倒し”という技で破り、15日間行われる春場所の中で13勝2敗の結果を残して初優勝を飾ったのです。

このとき、尊富士はこの春場所で「幕内(まくのうち)」という一番上の階級に昇進したばかり。

初めて幕内に入ることを「新入幕(しんにゅうまく)」と言うのですが、新入幕になってすぐに初優勝を果たしたのは、相撲の歴史上1914年(大正3年)5月場所で優勝した両国勇治郎以来、110年ぶりだったのです。

これが「新入幕110年ぶりの快挙!」の理由でした。
尊富士のめったに起きない最速の優勝に、相撲界は驚いたわけです。

春、夏、秋?大相撲の「〇〇場所」とは

尊富士が優勝したのは春場所でしたが、この「○○場所」の名称っていろいろな呼ばれ方がありますよね。

夏、秋の季節名、名古屋などの地方名、そして本場所。

私はこれまで、いろいろな場所があるんだな~(脳死)としか思ってませんでしたが、調べてみて「春場所」「夏場所」「秋場所」や「名古屋場所」は、どれも「本場所」の開催時期ごとの名称だということを知りました。

さらに「本場所」というのは、力士たちによる興行活動のことだったのです。(言い方が合っているか微妙ですが、各地を巡るサーカス団のようなイメージ。加えて、力士たちの番付(レベル決め)を決める行事でもあります。)

本場所は年に6回、奇数の月に15日間行われています。
下記に本場所の開催月と、呼び方の例、開催場所をまとめてみました。

  • 1月・・・「1月場所」「初場所」(東京)

  • 3月・・・「3月場所」「春場所」(大阪)

  • 5月・・・「5月場所」「夏場所」(東京)

  • 7月・・・「7月場所」「名古屋場所」(名古屋)

  • 9月・・・「9月場所」「秋場所」(東京)

  • 11月・・・「11月場所」「九州場所」(九州)

みんな同じ大相撲の「本場所」なのですが、時期によって(さらにはメディアによって)言い方は違っていたんですね!

ちなみに力士たちは本場所以外の月は、練習の他、巡業という地方興行を行っています。

取組の組み合わせは偉い人が決めている!

興行の目的は、お客さんにたくさん入って、たくさん盛り上がって、たくさんお金を落としてもらうこと。

相撲のルーツは神事から来ている説があるそうですが、神聖そうなイメージとは対照的に、大相撲の本場所でもその目的のためいろいろ考えられているようです。

その1つが取組の組み合わせ方法です。
大相撲の組み合わせは、審判部長、副部長、審判員によって行われる「取組編成会議」で決められています。
(なんと、トーナメント制や総当たり制、くじ引きでもなかった!)

まず、力士たちを次の「番付」という6つの階級にレベル分けします。
「序の口」「序二段」「三段目」「幕下」「十両」「幕内」
右に行くほど格上となります。(尊富士は今回初めての幕内でしたね)

そして会議では本場所の初日と2日目だけの取組編成を考えます。

なぜ2日間だけ決めるのかというと、大相撲は興行なので日に日に盛り上がっていくことが目的。最初から全日程決めてしまうと、お客さんたちが面白いと思える取組にできなくなってしまうからです。

力士たちの勝敗状況を見て、「どの組み合わせが盛り上がるか」の目線で3日目以降の取組を考えているわけですね。

ちなみに取組編成会議では、行司が書記を務めているそうです。「はっけよ~い」を言う立場の人が、裏では事務仕事もこなしているのは意外ですよね。

横綱や関取!力士たちの呼び方について

相撲を知る上で欠かせないのは力士の呼び方ではないでしょうか。
ニュースや書籍で「横綱」や「大関」といった名称はよく耳にしますからね。

力士の呼び方はすなわち強さのレベル=「番付」で表されています。
「番付」にはさらに2種類の表し方があり、1つが「階級」もう1つが「格付け」です。

「階級」は前項でも述べた、6つのレベルに振り分けられたもの。
上から順に、
「幕内」
「十両」
「幕下」
「三段目」
「序二段」
「序の口」
の6つです。

一方「格付け」は、「序の口」「序二段」「三段目」「幕下」「十両」までは同じで、「幕内」のみをさらに5つに分けたものです。
上から順に、
「横綱」
「大関」
「関脇」
「小結」
「前頭」
「十両(または十枚目)」
「幕下(または幕下二段目)」
「三段目」
「序二段」
「序の口」
合計10のレベルに振り分けられます。

今回優勝した尊富士は前頭十七枚目という位で、前頭のグループの中で17番目に強い力士ということを示しています。
(ちなみに前頭の中で一番強い位の呼び方は「前頭筆頭」となります。)

これらの番付は、力士たちの本場所での勝敗結果によって反映されます。

まだまだ奥が深いよ相撲の世界

まだまだ書ききれない位、相撲の歴史は長く、そして奥が深いです。

でも長い年数、ぼーっと相撲のニュースを聞いていただけでは得られなかったことを知れたので、私にとっていい機会となりました。
(尊富士優勝おめでとうございます!そしてきっかけをありがとうございました!)

ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。
相撲について、この記事だけでは不足している部分もあると思います。この記事で、ご自分の目もしくは足を使って、相撲をもっと知りたいと思ってくださったなら、書いてよかったな~と思います。

お世話になった参考サイトさんです。
【大相撲】取組のルールや決め方とは?懸賞金の仕組みも徹底解説! (spojoba.com)
【相撲】階級一覧|格付けや待遇なども詳しく解説! - スポスルマガジン|様々なスポーツ情報を配信 (sposuru.com)

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