就職活動という試練
はじめての記事の題材は、今新卒の方々が励んでいるであろう就職活動である。
私が就職活動を始めたのは、2020年の2月頃である。
その頃は中国の武漢で新種のウイルスが流行っているという話が出た段階で、異国の話だと皆が思っていた。
しかし、クルーズ船での感染拡大、海外から帰国した人が発症するなどその影響は日に日に拡大していった。
日常生活においてまず起きた変化としては対面でのイベントの中止である。
オンライン上での交流が当たり前になった。
大学で唯一残っていたゼミナールの時間もSlack上でのみになった。
緊急事態宣言が発令され、ターミナル駅ですら人がまばらとなった。
私の就職活動といえば、2月頃にはインターンの特典である早期選考に参加していた。
しかし、自分としては受かるとは到底思っておらずほぼ準備をせず挑み2社撃沈した。
初めて受けた面接の印象としては、上辺だけのエピソードを淡々と皆が語る、怪談語りかと思った。
ちなみに友人の一人は自分の受けた一社に内定をもらい、就活を早々に終えた。
その後3月となりマイナビ、リクナビなどで情報が解禁された。
多くの人はそこでひたすら応募して内定を取ろうとするのであるが、自分はそこまでたくさん応募する気にはなれなかった。
なぜなら、ESという何百文字もの駄文を書かなくてはならないからだ。
調べればいくらでも出てくる。「採用担当者に刺さる!」だの「周りに差を付けられる!」といったアフィ記事が。
結局こんな情報は誰でもアクセスできるのだから何の意味もないのだ。
それに立派な文章を書いたといってその人自身が変わるわけでもないのに。
とはいえ私のESでも体感で6割ほどは通り、面接に行くことができた。
しかし本当の試練はここからである。
「あなたを1分でアピールしてください。」
「学生時代に力を入れたことを教えてください」
ニコリともしない面接官という肩書をもった人間から、淡々と質問を受ける。
WEBであるのは交通費などの面では受けやすいが、なんともやりづらかった。
私は一次の段階で落ちまくった。
周りの就活生を見ると、サークルやバイトリーダーなどチームの経験をアピールしている人が多かった。
自分はといえばバイトは程々にこなし、勉強も頑張ったわけでもない。
ただ、長期休暇で行く一人旅が好きだった。
人が嫌いなわけではないが大人数でいると疲れてしまうのだ。
そんなこんなで、自分のプライドと精神はズタズタになっていった。
特に夜になると今後将来の不安が押し寄せ、とても憂鬱になり、自分の部屋の壁に何個も穴を開けてしまった。
そうしているうちに一般的な内定式のある10月を過ぎてしまった。
その頃には対面もある程度解禁されていたため、ひたすら説明会に参加し応募したが、こちらがさして興味もないと相手からもいい返事は得られない。
もうどうでもよくなってきていた。
限界となった自分は大学に来ていた新卒ハローワーク経由で応募した会社の内定を承諾し、就活を終えた。
卒業も近くに控えたころだった。
地元の隣の市の見てもいなかった業界の会社だ。
結果としてその会社は1年ほどで退職した。
一族経営で昭和思考の異常な雰囲気の会社だった。
同期も一年もたたず半分ほどが辞めていった。
大学まで入れてもらって、こんな会社にしか入れなかった自分が恥ずかしく、親に申し訳ないと思った。
これを踏まえ今就活生に言えることは、行き詰ったら一人で悩まず、プライドを捨て相談するということだ。
自分は初め大企業に入れるはずだという謎の自信に満ち、視野を広げたり誰かに本音で相談することもしなかった。
就活をまだしているというのも恥ずかしく、言いづらかった。
人には性格で大企業が合わない場合もあるし、興味のない業界でも力を発揮できることもあるかもしれない。
生真面目なほどそういった路線変更はしづらい。
結局は就活は人との相性なのだ。
ありのままの自分を受け入れてもらえそうな場所を探そう。
そして卒業まで、遊びまくれ!
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