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銀河鉄道999 1巻 第7話 いよいよ太陽系外へ

「彗星図書館」

停車駅:彗星の巣(コメットステーション)

 彗星の巣は今ではオールトの海として知られています。太陽系を取り囲むように微惑星があり彗星はそこから太陽の重力にひかれて長い軌道周期で回っていくそうです。実際はドーナツのようなリング状に広がっていますが、999での表現ではそれがひとつの星のように集まっており、ここが今回の停車駅になっています。

 上も下もないふわふわとした空間、そこにはなんと大図書館があり、地球で発行されたすべての本が蔵書されているとの事。鉄郎は迷わず少年キングのバックナンバーを読みに行きました。
 しかし彗星の巣で描くエピソードは図書館の事だけではありません。鉄郎はこのあと様々な人に騙されかけます。図書館でいんねんをつけられ怪我させられたり、その怪我をヤブ医者にめちゃくちゃな治療をされかけ法外な治療費を要求されたり、999に戻ったら鉄郎とメーテルに化けた親子に偽物呼ばわりされたり・・油断も隙もありません。

 ここで描いているエピソードは前回お話したように、とうとう無法の宇宙に出たという事だと思います。しかもそれぞれが稚拙な小悪党であり、ひとつひとつは地味ながらなんともいやな気分になる悪事ばかりです。
 世の中にはカルト勧誘やマルチ商法、ビットコイン、薬物など弱い人からの搾取を目的とした話が蔓延しています。社会にでれば自分で判断し自衛していかなければなりません。
 松本氏も上京した時にこのような声掛けをされた経験があったのかもしれません。世の中は油断ならないところなんだという事を太陽系を出た最初のエピソードにもってくるところが良いですね。
「外から見るとかげろうのようで美しい世界だけど・・油断もスキもならなかったなあ・・」
「これからもっとひどくなる・・」
 メーテル!言い方!
 私もマルチで友達を失った事を思い出してしまいました・・

「彗星の巣までの道のりは太陽系の庭の中のようなものだ いまその外へでた銀河鉄道は ・・そう その軌道のまわりに広がる宇宙は 無法の荒野ー機械の体を求めて鉄郎はいまそこへでた・・!!
 目に見えない銀河鉄道のレールは はてしなく限りなくその空間へのびている」

そうなんだよなぁ・・


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