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逆子で悩んでいるママの救世主、外回転術をご存知ですか?

今、逆子で悩んでいる妊婦さんいらっしゃいますか?

わたしも妊娠後期はずっと逆子で、次の検診で逆子が治っていなければ
「帝王切開の日程を決めましょう」
と言われていました。

お腹を切るなんて怖すぎる!!

そして色々な意味でナチュラル派の旦那は、
帝王切開や、無痛分娩に反対派。
実は病院すらもこだわってきて、わたしは産婦人科の大きな病院で産もうと思ってたけど、
あの冷たいカンジが無理らしく、

「助産院で産んだら?」
と言われた。

いや、助産院でも全くいいんですよ!
助産院が悪いわけじゃありません。
でも、わたしは実家から近く、馴染みのある産婦人科で、医療の心配なく産みたかったんです。

助産院は医師が居ない為、医療行為はできない。
万が一のことがあれば、医療機関に搬送されて出産をすることになります。

それはそれで素敵な出産の形の一つだと思います。

ただし、お前が決める事ではないだろ!! 
産むのは、わたし!
命かけて産むんだわ。
そこはわたしの意思尊重してくださる?
あんたの勝手なナチュラル志向で決めるな。
結局病院で納得してくれたけど。

そんな彼だから、帝王切開にも難色を示す。
いやわたしもめちゃくちゃ怖い。

彼はなんとか逆子を解消しようと、ネットで調べまくり。

そこで外回転という、逆子を治す施術があることを知る。

外回転はお腹の皮膚の上から赤ちゃんに直接アプローチをして赤ちゃんをくるりんと手で回すこと。

ええっ!そんなこと可能なの?!

日本でも外回転ができる所はあまりなく、その技術を持っている先生も少ない。
回転する方向によって臍の緒が首に絡まってしまうこともあるらしく、外回転は危険だと言っている人もいるらしい。

旦那は完全に受ける気満々!
わたしはお腹の赤ちゃんに万が一があったら怖いと、及び腰。

それでも何度も電話して旦那は失敗率はほぼ0%。
やることに…。

東京の幡ヶ谷にある小さい病院。
午前中いっぱいかかるとのことで、朝から病院に行くことに。

住宅街の中に古いピンクな小さな病院がありました。
昭和の病院というカンジで、
おじいちゃん先生が1人と、おばさん?看護婦が2人。
痩せている看護婦さんはチャキチャキしてて、おじいちゃんに色々指示だしてる。
少し太めの看護婦さんは、面白いキャラだった。
とにかくおじちゃん先生が、本当にただのおじいちゃん!
大丈夫?!本当にできるの?って感じ。

とりあえずベッドに横になり、赤ちゃんの心電図をひたすらとる。
紙が永遠と機械からでてきて、エコじゃないけど大丈夫?と思った記憶が。
3時間位横になって心電図とエコーをとる。

その間にも妊婦さんが検診に来たり、忙しそう。

人の流れが止まった時に先生と看護婦さんからお話が。
おじいちゃん先生は、
今の医学は論文を書いた人が出世して、技術のある人は重宝されない。
そんな医療の業界の愚痴の様なお話をしていた。
それをチャキチャキの看護婦さんが
「また始まった…。」と先生を嗜める。
毎回この話をしてるらしい。

先生はこの技術は危険でやらない病院も多いけど、自分がやれば失敗しない。とにこにこ言って、アルバムを見せてくれた。

そこにはお礼の手紙と写真が沢山はいったアルバム。
全国各地から、逆子を直そうと先生の所にやってくる。
先生の施術をうけたママと赤ちゃん達だ。

チャキチャキの看護婦さんも頷いて、
大丈夫よ。と後押ししてくれる。

「まだしばらく心電図をとって臍の緒の向きをみよう。
臍の緒に絡まらないように回さなきゃね。」
といわれ、また1時間ほど心電図をとる。

お昼の診療が終わって、ようやく患者さんが来なくなった。

「問題なさそうだし、やるか。赤ちゃんも元気、元気」
わたしと旦那に緊張が走る。

看護婦さん2人もやってきて先生をサポート。

怖い怖い。

先生がわたしの太ももの付け根辺りにぐっと指を入れる。
「うっ」
わたしは寝転がっていたので何がなんだかわからないけど、先生と看護婦さんが相談しつつくるりんと回す。

わたしは内蔵がぐるっと回ったような気持ち悪い感じ。
旦那は
「あーーー。」

と声を上げる。
先生はニコニコ、回ったよ😃
と教えてくれた。

えっ?
あっと言う間に?

旦那は
「お腹を見てて回ったのが確かにわかった。」
と言っていた。

本当びっくり。
こんなに簡単に?

看護婦さんからは
「これから1週間までは絶対に安静ね。
まだお腹に余裕があるからくるっと回っちゃうかも。もっと大きくなったらもう回らないから。」

「それと晒しって持ってる?」
と聞かれた。
とこちゃんベルトとかは持っていたけど、晒しは持っていなかった。
「晒しが一番固定できるから、今から旦那さん、晒し買いに行きましょう。
毎日晒しをお腹に巻くのは旦那さんの仕事ね」

旦那は太った看護婦さんと晒しを買いに行った。

晒しでお腹を固定している人なんてこの時代いるんだろうか?
でも赤ちゃんが一番固定できるならやるしかない。

戻ってきた旦那と晒しの巻き方のレクチャーを受ける。

先生も看護婦さんもニコニコ。

「家事はぜーんぶ、旦那さんの仕事ね。
奥さんはできるだけ安静にしていてね。」

そう言われてわたしたちは、病院を後にした。
なんとも不思議な日だった。
メルヘンの世界に迷いこんだような、魔法を使って逆子が治ったような。

あの病院の皆も不思議な感じ。

今はきっともう、あの病院はないかもしれない。
先生もすごい高齢だった。

でも本当に優しい素敵な皆さんだった。












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