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蒼ノ電燈

わたしの蒼ノ電燈は、未だ濃い闇の中でつなぐ場所を探るように明滅しているわけですが、なかなかどうして雨粒が、地に触れる音たちと、翼を持つ鳥が囀る音たちが密かにつながり合い続けて一つの雪原を創り出すわけでありまして。

夢と現を行き来しますが、それは記憶でもありまして、過去と今とを行ったり来たりと旅をしますが、憎しみの中に微かに残った優しげな感情を、わたしは未だ宝箱に入れようと四苦八苦しているわけでして。

血を迸らせるほどに、いき急ぐやうな、そんな音が蒼の色からは滲み出ては消え、露われては奏で。いつしかわたしの初列風切羽は幾本か折れたように思いましたが、幻肢ならぬ幻羽のようにそこにあるように翔べたりするのです。不思議ですが、それもまた世の常としましょうや。攫われるには些か時期尚早ではございますが、もう選んでもよい頃合いでしょう。

           宝箱は空のまま。

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