降り積もることへの祈り
静かに静かに降り積もるまで
白い吐息をゆうくり大切に吐き出して
かじかんだ手の指先をやんわり掴む
君は外套を纏っているのだろうか
それとも細く長く青白い手足を風に触れさせているのだろうか
ゆうくりゆうくりと落ちては溶けてゆく
白いわたぼうしのゆき達は
真っ赤に染まり果てた地面など知らず
ひとりひとりと落ちてゆく
降るなとどれだけ願っても
手を青空へ伸ばしても
小さな小さなわたしの手は
なんの慰めにもならないように見えるだろう
口元をようやっと袖口で拭った時には
動けないくらいには降り積もっていて
なんだか心地よかった
赤はすっかり身を潜め
ただただ白い野を征く
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