泣きたくなる音が(未完)

泣きたくなるような音がずっとずーっと鳴っている

その音はポンと鳴るけども
鳴ってほしくない時にポンと鳴る

ポンポンぽんと
いつもわたしを迎えにくる
連れ去ろうとする

まだ行けない
大切な人にお別れを言っていないから

まだ行けない
大切な人が大切に思ってくれていなくても

それが愛さない理由にはならないのだと
わたしの翼に囁いて
それでも騙せず苦しくて折ってしまったよ
森にあげてしまったよ
君はあんなにも輝いて風を切って飛べたのに

まだ行けない
翼が折れてしまったから

まだ行けない
新しい翼が生えていないから

まだ行けない
たくさん森は愛をくれたけれど

まだ行けない
わたしは愛して欲しかったから

愛し続けられないのに愛してしまったら
それはもうしばらく迎えに手を伸ばせないことを指していて
それでももう身を滅ぼしていく愛し方はしないと

静かに満足そうな顔で幸せを贈る
そしたら翼は生えるんだ

ホントは鳴ってほしい時
ちゃんと向こうから迎えに来てくれてるんだ

ポンと軽くね

わたしは天邪鬼で
簡単には攫わせてあげられないから

不意打ちでポンと

それがどうにも憎たらしくて愛らしいんだ

きみの初列風切羽で風のかたまりを掴むには
どうかもう安心して攫われてやれとしか