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最初の就職の話 ①

ビジネス専門学校のワープロ専科を卒業後、姉の職場の取引先であった印刷会社を紹介してもらい、姉の真面目な人柄のおかげもあってか、自身の面接もスムーズにパスしました。

希望通り専門学校での学びを生かせる入力オペレーターとしての採用でしたが、同期にもうひとり専門学校卒の女性がいて彼女は営業部に配属されていました。
朗らかで優しい感じの女性でした。

そんな同期の彼女とは入社直前の研修のときから気軽に会話を交わせたのですが、内勤の先輩の女性たちは見たところ流行の最先端の髪型、服装の女性たちで、どことなく壁を感じて馴染めるかかなり不安でした。

入社式のときに私は最初のつまづきを経験しました。

入社式はバブル崩壊の前年の活気のある時代を反映するかのように、ホテルの宴会場を貸し切った立食パーティー形式で盛大に行われました。

営業職で入社した同期の女性が、社長を始め、これからお世話になるであろう方々の円卓をひとつひとつビールを注いで挨拶に回る中、私はどうしたらよいか分からず円卓と円卓の間でじっと立ち尽くしていました。
ひとりで黙々と食事をするわけにもいかないし、誰かが話かけてくることもありません。
自分から積極的に話に行かなければ、こんなにも相手にされないものかという疎外感と、社会の厳しさを感じた入社初日となりました。

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