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2度目の就職の話

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面接編、薬局編に続き、受付編、検査室編、震災編、闘病編、退職編と続きます。 この頃はまだ一般枠での勤務でした。 社内ニートに陥ってしまう検査室編以降が話のメインとなります。
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2024年8月の記事一覧

桐島さん

よく姉に話すこと。 大人も子どもも含めて、自分が今まで出会った中で一番いじわるだったのが…

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2度目の就職の話 【受付編 ③】

私はお腹の不調からトイレに行くため席を立つことが増えました。 「給料泥棒ね。」と山村さん…

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2度目の就職の話 【受付編 ②】

上村さんに到っては相変わらず私に対する態度が冷ややかで、おそらく誰が見ても無駄口の多い岩…

2度目の就職の話 【受付編 ①】

「今日からよろしくお願いします。」 私は受け付けの女性3人と私の後に入社された男性、高岡…

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2度目の就職の話 【薬局編 ⑯】

茶谷さんが入社された初日も、薬局は桐島さんと私のふたりで残業をしていました。 桐島さんは…

2度目の就職の話 【薬局編⑮】

受付と薬局の間のドアが開き、山村さんがやわらかな笑顔を浮かべながら折りたたみ式の椅子を持…

2度目の就職の話 【薬局編 ⑭】

当時の私は妊婦さんの身体を心配するよりも、周りの私への目が冷たく厳しくなっていくことに追い詰められていました。 そして前職の退職間際の頃から感じていたおなかの違和感…毎朝、急に便意を催すものの粘液だけが排出されるといったことが続き、それがいつしか粘血便に変わっていました。 母にそういった身体の変調を相談すると、 「トイレの壁のお父さんが作った物入れに注入軟膏があるわよ。」と父がストックしていたであろう大量の注入軟膏を指差すのみでした。 いまいち効かない気がするけれど、それを使

2度目の就職の話 【薬局編 ⑬】

基本、パートタイマーの蒔田さんの勤務が午前中だけであったために、昼休憩からは嵐のような時…

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2度目の就職の話 【薬局編 ⑫】

「看護婦さん、これ本当に眠れるお薬なの?」 ご高齢の患者様の中には、看護師と似たデザイン…

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2度目の就職の話 【薬局編 ⑪】

上村さんが使っていたマグカップと同じものを探しに、主要駅にある大型雑貨店を訪ねましたがシ…

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2度目の就職の話 【薬局編 ⑩】

「今週金曜日の夜、空いてる?」 いつになく笑顔の桐島さんに声を掛けられました。 「院長先生…

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2度目の就職の話 【薬局編 ⑨】

初給与をいただいた日のこと、 廊下を歩いていたところ、岩橋さんに呼び止められました。 また…

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2度目の就職の話 【薬局編 ⑧】

翌朝、私は職場へ向かうも、間近まで来て脚が駅方向へと引き返していました。 とりあえず落ち…

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2度目の就職の話 【薬局編 ⑦】

入社してひと月ほどが経ち、私はますます焦りと緊張、そして不注意からのミスを繰り返してしまうようになりました。 そのたびに桐島さんに叱責され、隣の受付からは私の噂話が聞こえてくるようになりました。 ある残業の日、薬局のプリンターから打ち出された患者様に渡す投薬の説明の用紙が消えてしまいました。 「ない、ないわ。」 「そんな消えるはずないじゃないの。見つかるまで探して。」 薬待ちの患者様は薬局窓口の前で、いらいらを募らせています。 そして、桐島さんと私のやりとりを見ていた上村さ