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【5人家族都心築52年マンションリノベ記】既存家具の修理(番外編)

こんにちは、mizutamaと申します。

2024年1月11日より都心部にある築52年の自邸を、スケルトンからのリノベ工事中です。4月の今日時点で現場は最終仕上げに入っており、数日後に迫った引き渡しを待っている状況です。
夫、私、高校生、中学生、小学生それぞれ1人ずつ、合計5人家族のヴィンテージマンションリノベ記録。同じような状況でリノベを検討している方や、状況は違えど住まいやインテリアについて興味を持っていらっしゃる方の何かのヒントになればとブログの更新を続けております。
詳細な自己紹介はこちらの記事をご覧になってくださいね。

今日題材にするのは、今回せっかくリノベするのだからと決断した、家具のお直しについて。
我が家で18年以上使ってきた家具がどのような状況になり、修繕を依頼する決断に至ったか。また修理をお願いした業者さんについてもご紹介したいと思います。


ボロボロになった北欧ヴィンテージ家具

結婚した2006年当初。
目黒通りなど都内にあるヴィンテージ家具屋に足繁く通い、思いを持って購入したヴィンテージ家具たち。たとえば、ワシントン条約によって、規制されたりそれが解除されたり。。。とても希少価値が高い樹木であるローズウッドのダイニングテーブル、そしてうっかり名前は失念してしまったが!デンマークの家具デザイナーによるソファ。
当時でも数十万円と背伸びして買った家具。「一生もの」と思って購入した家具が、こんなにボロボロになって(されて)しまうとは思いもしなかった。

壊れたものたちその1:ローズウッドのバタフライテーブル

一つ目がダイニングテーブル。
不具合が生じた箇所は2箇所。
1箇所目は、天板の塗装がベタベタな状態になってしまったこと。
購入当初家具屋さんから、

「天然の木というのは呼吸します。ビニールクロスなどはかけずに、使っても布製のクロスを用い、時折オイルを塗布してメンテナンスをしましょう」

そう言われていたのにもかかわらず、ビニール製のテーブルクロスを日常的に使っていたことが原因だろう。というのが、子どもに汚されたり、何より傷をつけられる(カトラリーなどですごい力で天板に攻撃をしてくるから!)のを回避するため。
ところが数年前、ビニールのクロスを変えた時、ふと天板が糊がついているようなベタベタした状態になっていることに気づいたのだ。

時すでにおそし。しかし、ビニールのクロスは使うべきでなかった。
取り返しのつかないベタベタな状態になった時テーブルに語りかけた。「あー、こんなに苦しい思いをさせてしまってごめんなさい」と。

ビニール製のクロスを使っていたため天板の剥離が汚れてしまった。
また、バタフライのダボはずれを起こしていた

2箇所目は、テーブルを支える脚のダボが外れてしまったこと。
これもここ数年あたりではっと気づいた。ある日テーブルでものを書いていると、テーブルの脚がガタガタキシキシとなるのに気づいたのだ。原因を特定すべくテーブルの下を見たら、4つあるうち1つの脚を支える板の組み木が外れていたのだ。
今回家具の修理をお願いするときに見積もりをとりに来てくださって確認してもらったところ、

「バタフライテーブルなんかではよくある不具合です。テーブルを移動させるときに持ち上げずに一人で押し移動したりすると、脚や接続部に横から負荷がかかることで、それが積み重なって起こる現象です」

と。
確かに掃除をしたいときなど、一人でテーブルを押して動かしてしまっていた(なんでも一人でどうにかしようという癖があり)。それがまさかこんな破損につながるとは。この記事を読んだ方が、私個人の失敗談を元に、家具を長く大事につかえるきっかけになりますように。

壊れたものたちその2:デンマークヴィンテージのソファ

北欧家具によくある、座面の下が空いている空洞のタイプのソファ。日が経つごとに座面裏の支えとなる組んだロープが剥がれて、床に垂れ下がっているのが気になっていた。
ソファにのる体重や、強烈な日差しによる日焼けもあってか座面の布も破れかかって「そろそろお直しが必要だな」と考えていた頃。深夜に帰宅した夫がいつものようにソファに寝転がっていると、ガタッ、と何かが崩れる音がした。
なんと、ソファを支えているチークの細い脚が座面から外れたのだった。

中綿のスポンジはボロボロ。写真のように座面裏の組紐ぼすべて外れた状態。
このタイプの家具ではよくある経年による破損の状態だそうだ。

家で一時的に応急処置をしたものの、所詮、素人の手による家具のお直し。「再び壊れることを思うともうここには座れないな(ソファなのに・苦笑)」と、実はお直しに出すまでの約1年間は、洗濯物の置き場所として、子どもに再破壊されないように場を塞いでいたのだ。
18年前の当時購入した時の価格で30万円弱だったデンマークのヴィンテージソファ。価格以上に「処分して新調するか、repairをお願いするか」。
決断を悩ませたこと、それは、ヴィンテージ家具であるが故、2度と手に入れることはできないという希少価値
「もしかしたら新調した方が安いのかも」、そうは思いつつも、北欧の人たちのように、「直して使い続けよう」そう思い直して、こちらも修理をお願いすることになった。

壊れたものたちその3:ヴィンテージチェアの座面

こちらは写真がないものの、チークの足と、オークの背もたれ、2つの木を組み合わせた今の既製品では見ない、やはりヴィンテージらしいヴィンテージチェア。当初の座面は水色のウール製の布だったが、汚れが気になりはじめて10年ほど前に、自分で座面の張り替えをしたことがあった。

張り替えた布は、布地屋で買ってきた洋服用のウールの布だったと思う。張り替えはしたものの10年経過し、再び角が破れかけていることに気づいて、こちらもプロによるrepairをお願いすることとなった。

どうやってお直し屋さんを探したか

上記の家具。実はそれぞれ別々のヴィンテージ家具屋で購入していた。また、そのうち3つ目の椅子に関しては、すでにお店が閉店してしまっている。そんなこともあり購入した家具屋さんに修理の相談をするというより、一式まとめてお直しをしてくれる修理専門店を探すことにしたのだった。

検索キーワードは、「北欧家具」「修理」「お直し」、この3つのキーワードを中心に4社ほど、我が家から所在地が遠くない業者を見つけ、そのうち2社に見積もりの依頼を出した。

そのうち1社が翌朝には早々にレスをくれ、対応の感じも良かったことから、まずは家具の実際の様子を確認しに家に来てもらうことになった。

お願いした会社は?

肝心の会社。
その会社は東京都狛江市に拠点をおく「北欧家具修理」を得意とする、とサイトにも記載のある、株式会社Sitwellさん。
サイトに記載の取引実績に、大使館をはじめ、北欧家具といえばというくらい代表的な企業の名が連なっていることもあり、当初から信頼できる会社だな、という印象を持っていたものだ。

予め家具の不具合がわかるように写真は複数送っていた。メールのやり取りの段階から、「おそらく直すことは問題ないと思うが、よければお伺いして実物を拝見するとより正確な見積もりが出せます」とのこと。
後日Sitwell代表の濱田さんが、うちにある家具を実際見て、見積もりを作成してくれることとなった。

肝心の見積もり

来てくださって数日して、早速見積書を送っていただいた。
これは、あくまで我が家の家具の不具合についての見積もりであり概算だが、以下の通り。

●ソファ:17万円
●ダイニングテーブル:12万円
●椅子の座面張り替え×2客:3.7万円
●運搬費:2万円×2往復

参考:2024年1月依頼時の我が家の見積もり

買うよりはずっと安いが、消費税込みで40万円超えとなかなかインパクトのある金額。しかし、sitwellさんのサイトにもあるとおり、私自身もデンマーク人のスピリッツに同じく「気に入った物を長く大切に使うライフスタイル」の実践者であると思っている。
18年前、散々見て回って決めた大変気に入っていた家具たち。原点に還り、「やはり長く大事に使い続けよう」と、2度と手に入れることのできない家具たちを再生させることを決断した。

おまけ:予想もしなかった運命の出逢い

今回Sitwellさんにお願いしてよかったことがもう一つある。

「うちで座面の修理をさせていただく際は、Kvadratというデンマークのテキスタイルメーカーのものを使用することにしています。そちらの布のごく一部になりますが、サンプルをお持ちしましたのでお決めいただければと。
色というのは小さいサイズでみると実際より暗く見えるので、よろしければショールームへ直接行っていただけるとこの何十倍も布の実物が見られますので、お知らせください」

実際Sitwellさんが我が家に来てくれた際、持ってきてくれたKvadrat社のサンプル。発色や布の質感、どれもこれも素晴らしく上等だった。せっかくの機会なので、アポ調整をお願いしKvadratショールームを訪問することになったのだ。(Kvadrat社は原則個人の顧客用にショールームは開放しておらず、法人経由でしかアポがとれない)

大切に思っていた家具の不具合をここまで放置してしまったのは後悔したが、この出逢いは思わぬ収穫だった。Kvadratという世界でも一流と言えるテキスタイルメーカーの存在を知ることができたのは、今回リノベを経験したからこそ。Kvadratについてはまた別の記事でご紹介したいと思う。

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