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インナーブランディングについて

先日、大阪でインナーブランディングについての研究会イベントに参加させてもらった。

最近かなり頻繁に、聞くようになったインナーブランディングという言葉。

これは、やはりコロナでオンライン化が進んだということが、企業でインナーブランディングのニーズが高まりを見せている理由の一つだと思う。

そして、もう一つは、そういう物理的なことだけでなく、私たちの価値観や考え方がこのコロナをきっかけに急速に多様化したことも、影響しているのではないかと感じる。

それまでは、企業の中の狭い世界で生きていた社員たちが、非日常の時を経て、ある意味自分自身のあり方を模索し、

会社の内情や、働き方について、客観的にみることができるようになったということかもしれない。

もしくは、空気を読むことでコミュニケーションをとる文化の日本人が、

チャットなどの”言葉”だけで伝え合うためには、もう少し時間ぎ必要だったのかもしれない。

私は、外資系のラグジュアリーブランドが長かったが、ある意味インナーブランディングを必要としないくらい、みんな同じ方向を向いていた。

その理由はシンプルで、価値観を共有できない人をそもそも採用しないからとも言える。

ブランド出身者のキャリアは基本的にずっと同じようなブランド業界でグルグル人材が回っている。 

ブランドを守り、ブランドを育てるためにもっとも必要なことが、ブランドの価値を理解し愛せる人。だから、大体それまでもずっとその業界で似たような職についていた人だからだ。

転職後の最初の職場の挨拶は、”前はどこのブランドだっのですか?”だ。この会話でわかるように、ブランド業界にいたことが前提になっている。

しかし、あまり書けないことも多いが、ブランドも時代の波とともに、ここ数年揺れたらしい。

まず、デジタル化の波。コロナもあり、オンラインショップなどの売上増加により、外部からECスペシャリストなどを入れることによって起こる社内の揺らぎ。

それまで当たり前のように通じてきた共通言語が通じないことから起こる葛藤で、古い人材が離れ始め、採用がすごく難しくなっていると聞いている。

そして、コロナ。海外渡航などが難しくなり、リアルでの現場教育がほとんどできなくなった。

ブランドのスピリットを肌で感じていないスタッフがお客様の対応をするとどうなるか… 想像するのは難しくないだろう。

そして、この危機に気づいたブランドの本社などは、今急いで原点回帰しているらしい。

それは、”ストーリー”の共有だ。

ブランドがなぜブランドとして成り立ち続けているか。その一つは、やはり”ストーリー”を重視し続けているからだと思う。

ストーリーには、不思議な力がある。

はるか昔から、私たちは、ストーリーによってさまざまな情報を次世代へ繋げてきた。ストーリーには、なぜか耳を傾けてしまう。

そして、ある時は、ストーリーによって心の奥深いところが震え、感動し、そして理由もわからず涙する。

私たち日本人は、自分の主張をするのが苦手だ。それは、ビジネス現場でも同じだろう。しかし、上のポジションにいけばいくほど、それが重要になってくるのは間違えない。

ただそこで、理論や説明をしようとしてしまうのは勿体なさすぎる。全く聞いてる人の心に届かないから、すぐに忘れてしまうからだ。

企業や、社長、リーダーたちは、このストーリーを語るということを、今一度意識してほしいなと思います。そうすれば、今より現場の士気は上がり、必ず売上という目に見える形にも現れてくると思う。


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