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KYOTO GRAPHIE 京都国際写真展 2024 へ

KYOTO GRAPHIE 2024

京都で開催されている「KYOTO GRAPHIE 2024」へ行ってきました。
KYOTO GRAPHIEは毎年春に開催されている国際写真祭です。
京都市内の中心部の美術館、ギャラリー、町屋など12の会場で展開し、フリンジ企画も多数開催されていました。
時間的にすべての会場を観ることはできませんでしたが、5つの会場を訪れましたので、その備忘録を。

インフォメーション町屋

まずはインフォメーションへ。
京都らしい歴史ある町屋にインフォがあります。
靴を脱いで入るとチケット売場やショップ、アーカイブコーナーなどがあり、奥に行くと同時開催の音楽系の「KYOTOPHONIE」のブースもありました。
昨年はこの町屋で展示もありましたが今回は展示はありませんでした。

インフォメーション町屋

嶋臺(しまだい)ギャラリー

インフォからほど近い、しまだいギャラリー会場は Lucien Clergue の「ジプシー・テンポ」の展示。
南仏のジプシーを主題にした写真です。
スペインのフラメンコに通じるジプシーの人々の写真はとても印象的で、かつて訪れたスペインのグラナダで見たストリートのフラメンコを思い出しました。素直に良いと思える、いい意味でクラシックな写真。
ここのギャラリーも歴史ある町屋で、建物内に展示壁やプロジェクターを設置し、作り込まれた会場になっていた。

嶋臺(しまだい)ギャラリー

京都市京セラ美術館

京都市京セラ美術館の会場では、川田喜久治、潮田登久子、川内倫子の展示。
美術館の2階にある会場では、まず川田喜久治の「見えない地図」の展示となります。
戦後から昭和の終わりのあたりの写真はともかく、意図して行なっているであろうオーバー加工気味な写真は個人的には、、、
逆に次の潮田登久子の「冷蔵庫+マイハズバンド」は、真逆となる私的な記録写真で、ざわっと心動かされる展示でした。丁寧に日々の記録を切り取った写真や、定点観測的な冷蔵庫の(大量の)写真に思わず見入ってしまった。この写真に写っている人や物は今はどうなったのかな、と考えてしまい、写真の持つ記録的な性質を改めて認識。
その先の川内倫子は、安定の展示で子どもの成長の記録的な写真。自分の記憶にも共感するものがあり、感慨深い展示でした。展示空間の作りも効果的で、スライドや映像も散りばめて配置されており、鑑賞体験としてよくデザインされていた。

京都市京セラ美術館

二条城 二の丸御殿

次は二条城へ。
ここは二条城の入場料が別で必要。平日限定パスポートでも4,000円、通常パスは5,500円!さらにここでも追加で入場料が必要ということを考えると、かなり強気なチケット料金体制。京都という特別感か、、、
ここでの展示は、Thierry Ardouin の「種子は語る」。
実物?の種子とガラスのインスタレーションと、写真の展示。
インターナショナル・スクール?っぽい子どもたちも鑑賞に訪れていて、そういう鑑賞には向いているなー、となんとなく思った。
インスタレーションの方は二条城の建物の空間を活かした展示。

二条城 二の丸御殿

京都新聞地下1階

今回のハイライトとも言える会場です。
昨年のアンビエント京都で坂本龍一の展示で使われた会場。
Viviane Sassenの「PHOSPHOR|発光体:アート&ファッション」の展示。
展示自体は良かったと思います。ディスプレイも作り込まれていたかと。
ただ、アンビエント京都の坂本龍一の展示の方が、この空間の魅力を上手く活かしていたかと。
それと比べると、今回の展示はこの空間を活かしきれていない部分があったかも。やや作り込みすぎた感。
とはいえ、率直に言って良かったです。比べなければ。

京都新聞 地下1階

まとめ

コロナ禍が過ぎて2回目の KYOTO GRAPHIEですが、京都の外国人観光客の増加は凄まじいものがありますね。その影響もあるのか、KYOTO GRAPHIEにも外国人の来場者を良く目にしました。運営側もそこは意識していて、キャプションやマップ等はしっかり英語対応されていた。
チケット料金もハイクラスで、協賛もこれまたハイクラスのホテル、メゾンが並んでいます。現代アートよりも写真の方がそういうニーズにはマッチしやすいというか受け入れられやすいのかな、と。
今回、フリンジ企画の展示があったエースホテル京都にも初めて訪れましたが、これはもはやエースホテルでなくても良くない?と。
でも、そういう現在の京都を取り巻くトレンドを(チケット料金も含め)上手く取り入れてる写真展だなと感じました。
ただ、フランスを中心としたグランメゾンや高級ホテルなどのスポンサーをはじめ、少しハイクラス向きの方向性はアートフェア寄りの雰囲気。。。
でも、ライカあたりの高価なカメラを買える層には受け入れられているのかもしれないし、、、などとちょっとモヤモヤする展覧会でした。


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