「若いね〜」への返事

 年齢を聞かれて、それに答えると「若いね~」と言われることがある。親戚の集まり、バイト先など様々な場面で繰り広げられている会話だ。これを私が書いている、もしくはあなたがこの記事を読んでいる瞬間にも世界中のどこかで、このやり取りをしている人たちがいてもおかしくないだろう。だが、その頻度に反して正しい返し方が私はいまだに分かっていない。まず、「若い」という言葉が相手にとってどういう意味を持つかによって変わってくる。ポジティヴな意味で使用しているのか、ただ年齢を聞いたときの相槌として使用しているのか。
 相手が褒めているととらえた場合、「ありがとうございます」と返答すればいい。ただ、もし仮に相手が相槌として使用していたのならば、自分の年齢に誇りを持っている変態と相手に捉えられるかもしれない。そもそも「ありがとうございま
す」ということで、自分が年齢が若いほうが良いということを暗に示しており、これが伝わってしまった場合、自分よりも年齢が上の相手を否定してしまってしまうのではないのだろうか。これらのことを踏まえると「ありがとうございます」
はどこか皮肉っぽいニュアンスを含んでしまう気がする。
 「いえいえ、そんなことはないですよ~」と謙遜しても、確実に年齢は相手よりも下なわけで、返答としておかしな気がする。また、この返答をしたところで「いやいや、若いでしょ~」と返されることが目に見えている。結局、謙遜をし
たところで同じような言葉が返ってくるとしたら無意味ではないのだろうか。
 この記事を書いているときにたまたま話す機会のあった友達に、どのように返答するか質問してみたら「えへへって笑っていればいいよ」と言っていて、すごくスカッとした。結局、笑ってごまかすのが一番いいのかもしれない。



ここで終わるつもりだったが、実は私も後輩に「若いね~」って言うようになってしまった。私はもう23歳で、バイト先の19歳、20歳の後輩たちが若く見えて仕方ないのだ。よくよく考えると、相手に年齢を聞いて、年齢が返ってきたときに「若い」という感想を言うということは、会話のキャッチボールにおいて、自分が投げた球を相手が投げ返し、そのボールをただキャッチしてい
るだけの状況にある。相手にボールを返さないと会話が続かないのは当たり前なことである。そのため、どんな年齢を言われてもとっさに質問を返すことのできるような質問をストックしようと思う。ただ、こんな考えすぎな性格の自分との会話に付き合わされる後輩がだんだん不憫であるように思えてきた・・・。自分だったらこんな先輩と話すだけで疲れそうだ。

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