一方その頃(もう一つのストーリー)4

兄のnoteを読んで、あまりに知らない事が多かったので、

興味本位で私もnoteを作成してみる事にしましたが、

正直、たくさんの誤解を発見したので驚いています。

***

私は妹が生まれた数か月後に、なんと、兄が出来たんです。

その時の衝撃は、なんとも言葉にできません。

妹が生まれるまで私は、一人っ子だと思っていましたので、

まさかのまさかです。

テレビアニメなどの影響を受けて、お兄ちゃんには猛烈に憧れていたので、すごく嬉しかったです!

とにかくずっと引っ付いて、追いかけまわしていたと思います。

5人家族になってから、

『お父さん』の暴力はどんどんエスカレートしていきました。

日常的に、妹をいじめているという理由で、棒状のもので叩かれていました。

おねしょをすると、鼻頭を何度も殴られ、

血が噴き出ると、「服を汚しやがって!」ともっと殴られました。

意識が遠のいて眠りそうになると、

「怒ってるのに何寝とんねん!」と、頬を何度もはたかれました。

兄をロープでぐるぐる巻きにして、サンドバックの様に吊るして殴ってる姿をみたこともあります。

次は自分の番だと思うと恐ろしくて、震えが止まらず、

ガラス戸をにぎると、ガタガタ音がして「うるさい!」と怒鳴られるので、

両手をグーにして、背中にまわしてじっと静かにしていました。

私は『お父さん』を人間ではない、はじめて出会った別の生き物で、

『化け物』だと思う様にしていました。

時々こっそり、『化け物』のライターを盗んで、

煙草をくわえて、必死に探しまわる様子の『化け物』をこっそり観察して、面白がったりしていました。

兄と二人でたくさん悪い事をして、どうしてか、なんだかそれが楽しかった。

悪事が見つかると罰だといって、熱湯風呂に入れられたり、

雪の日に全裸で外に立たされたりしましたが、

近所の大人たちはそっと窓を閉めて、誰も助けてくれなかった。

いつだって、かばってくれたのは兄でした。

私の体にも、火傷の跡はいくつか残っていますが、

かばった兄は、その何倍も焼かれました。

どうしてだろう、

自ら招いたなんて思うのは・・。

兄が当時、

母や『化け物』を喜ばそうとしていたという事を、かなり後になってから知りました。

私は喜ばそうなんて、思いもしなかった。

愛されたいとも思わなかった。

この時点で既に、そんなものは諦めていたのかもしれません。

この頃の母の様子はどうしても思い出せないのですが、

酷く悲しかったであろうと、私は思っています。

私はただとにかく、

母と兄と妹だけは大事だった。

これだけは絶対に、無くしたくないと、

強く強く思っていました。

それ以外の、この世の生き物には無関心でした。

つづく・・

↓兄のnote




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