徳川埋蔵金【読切超短編小説】
江戸幕府は、困っていた。
先代の将軍、家康公の遺した財産は、
あまりにも莫大すぎて管理は困難を極めた。
ある日、隠居していた、家康の家臣の1人が、
城を訪れた。
「実は関ヶ原の戦いの前、非常時に備え、
その当時の財産の一部を、
ある場所に埋めたのです。
しかし、激しい戦の中で、
その地図は焼けてしまい…」
幕府の家臣達、眉をひそめる。
そんなものどうやって探すのだ。
仮にその話が本当なら、
莫大な宝が眠っていることに…
頭のいい家臣が、声を上げる。
「この話を公にして、皆に探させればいい。
見つかったところで、税金だとか言って、
ほとんどを幕府が巻き上げましょう。
本人の取り分で多少減るかもしれないが、
埋もれたままよりもずっと良い…」
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