安倍晋三は「国賊ではなくて」それでは「愛国の士でありえたか」というと,完全に幻想以前のピンボケ,この「世襲3代目の政治屋」を単純明快,かつまっとうに理解する話題(その1)
安倍晋三は「国賊」などではないといいはる人たちもいるが,それでは彼が「愛国の烈士」であったかといったら,これは買いかぶり以前に「贔屓の引き倒し」どころか「見当違いのいいところ」で,結局大きな曲解にほうに誤導されざるをえないことになる。
この甘ちゃんそのものであった「世襲3代目の政治屋」の素性を理解することに,それほど困難などはなかったはずであり,ただ単純明快に解剖:精神分析をおこない理解すればよいだけのことであった。
※-1 安倍晋三ヨイショ本とは対極の内容を書いていた書物3著の紹介
① 金子 勝『裏金国家-日本を覆う「2015年体制」の呪縛-』朝日新聞出版,2024年9月30日。
② 佐藤 章『日本を壊した政治家たち-安倍晋三から裏金自民党政権まで-』五月書房,2024年10月16日(発行予定)。
③ 似た書名の本がこれ。
ハーバー・ビジネス・オンライン編,上西充子・織田朝日・海渡雄一・日下部智海・佐藤治彦・鈴木エイト・清史 弘 &5 その他『日本を壊した安倍政権』扶桑社,2020年11月。
※-2 首相の座から岸田文雄が去り石破 茂が座ったばかりでの時事的な話題を『東京新聞』の記事に聞く
『東京新聞』2024年10月1日 17時36分,https://www.tokyo-np.co.jp/article/357495 の当該記事の見出しは,こうであった(太字)。
◆「安倍元首相は国賊」発言で処分 村上誠一郎氏が19年ぶり入閣 旧安倍派「リベラルに天下取られた」と嘆き ◆
〔2024年10月〕1日に発足する石破 茂内閣では,村上誠一郎元行政改革担当相(72歳)=衆院愛媛2区,12期=が総務相に起用された。村上氏の入閣は実に19年ぶり。
村上氏は石破氏と並ぶ安倍政権時代の「党内野党」の代表格で,2022年に銃撃されて死亡した安倍晋三元首相を「国賊」と難じたことが報じられるなど,安倍氏ときわめて折りあいが悪かったことでしられる。
旧安倍派からは,重要ポストへの抜擢に反発も出ている。(デジタル編集部)(以下にさらに本文を項目順に紹介する)
◆-1 株価乱高下や円安は「アベノミクスの負の遺産」
村上氏は〔10月1日〕午後4時20分ごろ,首相秘書官から官邸への呼びこみの電話を受けた。
村上氏は報道陣の取材に,裏金問題や旧統一教会問題を挙げて「前任者のいろんな負の遺産がある。これをどう解消しながらやっていくかというのは非常にむずかしいなと心配している」と述べ,株価の乱高下や円安についても「残念ながらアベノミクス(安倍政権の経済政策)の負の遺産だと思う」と指摘した。
そのうえで,「総務相は非常に守備範囲が広い。新たな課題もあり,勉強する必要があるので,当面はそれに集中しようと思う」と意気ごんだ。
【参考資料】-裏金問題(金額)と世襲議員たちのそれぞれ一覧-
〔村上誠一郎〕は,19年ぶりの入閣となったことについては「納得いく人のもとで働きたいので,あえてポストを求めなかった」としつつ,「支持者が『よく筋を通してがんば張ってくれた。嬉しかった』といってくれた時は,私もじーんときた」と涙ぐんだ。
「国賊」発言で党の処分を受けたことに関しては,「(安倍氏の)遺族の方には謝罪した」と説明。「(国葬の是非をめぐり)ずっと正論をいいつづけたつもりだ。ただ,人間社会だから感情が伴う。これからは融和的にやっていく」と話した。
補注)安倍晋三の国葬問題は「公」に属し,またその家族への謝罪は「私」にわたる論点であったから,この「私への謝罪」を「公での持論の撤回」にはなりえないので,留意が必要である。
〔記事に戻る→〕 旧安倍派の若手は,村上氏の入閣について「安倍元首相がいた時代なら,ありえなかった。天下が『リベラル』に取られ,時代が完全に変わってしまった」と嘆息。「党内融和とはほど遠い人事だ」と懸念した。
補注)天下がリベラルに乗っ取られたらなにかまずいことでもあるのか? 安倍晋三政権が日本の政治を不法占拠したときにこそ(このように形容する論拠は後段に議論で関説される),日本の社会全体が不当に引きまわされたのだから,それこそ「クソと味噌」をこねくりまわしたごときヘリクツは論外である。
【参考記事】-これはウクライナ側が撤回・修正した画像資料の問題であったが,ウクライナ側の事後措置が完全に正しいかどうかはなお疑問ありで,問題が「そこにだけあった」わけではない。
アンティ・リベラル陣営に居るつもりの人たちは,スターリンやムッソリーニや裕仁(戦前)の「過去霊」が唱えたごとき発想にしたがっての言辞なのか?
頭の中の脳細胞が思考する政治理念そのものは,誰がどのような方途・嗜好をとろうがとるまいが,すなわち,他者がどうのこうのいう筋合いはないかもしれない。だが,第3者に披露するクソミソ風の議論は,なるべく回避せねばなるまい。
〔記事に戻る ↓ 〕
◆-2 特定秘密保護法,集団的自衛権行使容認に反対
村上氏は2022年9月,報道機関の取材に,安倍氏の国葬について「最初から反対だし,出るつもりもない」との考えを示したさい,安倍氏を「国賊」と表現。村上氏自身は「発言を覚えていない」と釈明したが,自民党は村上氏を1年間の党役職停止処分に。安倍派を中心に,村上氏に対するきびしいしい声が上がった。
村上氏と安倍氏の因縁は,第2次安倍政権の発足当初からのものだ。
村上氏は2013年11月に,安倍政権が提出した特定秘密保護法案について,「党内で熟議が尽くされていない」などとして衆院本会議の採決を退席。
2014年に安倍政権が集団的自衛権の行使容認に向けて閣議決定で解釈改憲しようとしたさいは,憲法9条にもとづく平和主義は「絶対に変えてはいけない基本原則だ」と訴え,反対を明言した。
村上氏に対し「自民党を離れるべきだ」という意見も寄せられたが,村上氏は2016年の著書『自民党ひとり良識派』で,自身こそが「ミスター自民党」だと自負をのぞかせ,
「解釈によって立憲主義と民主主義を捻(ね)じ曲げてしまった政権とそれを許した自民党執行部こそが猛省すべきではないでしょうか」と強調。離党する理由はないと説明している。
補注)愛媛県から選ばれて国会議員になっていた村上誠一郎は,非常に戦況には強かった。以上のように村上が自信をもって堂々と発言できる立場は,そうした自分の選挙区での実績からも裏づけられていた。
〔記事に戻る→〕 森友学園の決裁文書改ざん問題をめぐっても,安倍氏周辺が疑惑の沈静化を図るなか,村上氏は「国民の疑念は晴れていない」などと指摘した。
自民党税制調査会のメンバーを長く務める財政規律重視派としてもしられ,安倍政権が進めた積極財政色の濃い経済政策「アベノミクス」には批判的な立場をとった。原発再稼働にも慎重な姿勢を示してきた。
◆-3「ガス抜きに利用されている」との見方も
村上氏は河本敏夫元通商産業相の秘書を経て,1986年の衆院選で自民党公認で初当選し,現在12期。2004年9月に第2次小泉改造内閣で行政改革担当相として初入閣し,2005年10月まで務めた。
今回の入閣はそれ以来となる。菅 義偉内閣で棚橋泰文元科学技術担当相が国家公安委員長に起用されたさい,16年ぶりの入閣として話題になったが,村上氏のブランクはこれを上回る長さだ。
第2次安倍政権以降は,党の最高意思決定機関である総務会の常連メンバーとして,特定秘密保護法案などの論争的な案件で党議決定にたびたび異を唱えた。安倍政権に批判的な勢力からは喝采を浴びることも多かった半面,「ガス抜きに利用されている」との冷ややかな見方も付きまとった。
◆-4 石破 茂氏の推薦人になること3回
村上氏は,石破 茂氏がこれまでに立候補した5回の自民党総裁選のうち,2018年,2020年,2024年の3回で石破氏の推薦人に名を連ねた。立憲民主党の岡田克也前幹事長は義弟(妹の夫)に当たる。
村上誠一郎のような資質・個性の持ち主が,自民党国会議員のなかで指導者の1人となり,ひとつの派閥を形成できていれば,いまの自民党のようなハチャメチャに乱れつくし,腐敗しきった状況にまでは至らなかったと感じる。
だが,そうはいっても,いまの自民党的な惨状をたとえていうと,まるで「死児の齢」を数えるようなものでしかありえず,つまり,安倍晋三によって絞め殺されてしまった「民主主義の基本精神・規律」は,その後の菅 義偉や岸田文雄の政権によっても,ますます劣後的に悪化させられるばかりであって,まさに死に体同然の様相をいつまでも呈してきた。
アベノミクスはこの経済政策の提唱・実施と同時に,これは「アホノミクス」だ断罪されたごとき,それこそ罵倒そのものであった非難・断罪が登場していた(経済学者浜 矩子)。とはいえ,なんとでも罵倒されて当然だった,つまりきわめて悪質な特性をもっていた安倍晋三の第2次政権は,この日本という国の政治は,もはや「3流ないしは4流だ」ともいってのけてもかまわないほどに脆弱になりはてたくらい,それはたいそうひどく堕落させられてきた。
「世襲3代目の政治屋」の特定の1人だった安倍晋三が,そもそも世の中のイロハもなにも「分からんこの人」が,1億2千万人以上もの人口を抱えるこの国家を指揮し,運営するなどといった大業にかかわることになったのだから,おかしくならないほうが,かえて不自然であったといえなくはなかった。彼の政治屋として「になえた能力・胆力など」は最初から実にみみっちいものであった。
世襲議員の〈最たる弊害〉は安倍晋三が首相になったことで,その真価ならぬ逆価を完璧にまで露呈,発揚させたことになる。
とりわけ,安倍晋三が原発問題(東電福島第1原発事故現場)の実情に関して「大ウソ」を吐いてきた事実については,小出裕章がつぎのように「バカだ」と決めつけた発言を公にしていた。2014年12月中の指摘・批判であったが,現『X』でつぎのよう率直に語っていた。
村上誠一郎が原発の再稼働については懸念する立場であった点は,前段で触れたところである。
安倍晋三は,第2次政権を放り出した2020年9月16日以降も日本の政治・経済を混沌化させた自身の責任など,これぽっちも自覚できないで暮らすことができていた。
ところが,2022年7月8日,当時参議院選挙の期間中,自民党候補者の応援演説に出向いた奈良市で,自分が首相の座に着くときに大いに支援してくれたはずの統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の「信者2世,山上徹也の手製散弾銃による狙撃」を被弾し,死亡した。
もっとも,安倍晋三が本当に山上徹也の銃によって本当に暗殺されたかという疑問がまったく介在しえないわけではなく,ちまたには素人筋のまじめな議論も含めて,その背景にまで及ぶ疑念が提示されている。
いずれにせよ,安倍晋三という「初老の小学生・ペテン総理」(ブログ『くろねこの短語』命名)が,自国のことを「美しい国」にしたかったかのように騙りながらも,その実質では「日本を壊す自分の立場となったその実績」を,自覚することはいっさいなかった。
そのもっとも分かりやすい話をする。
安倍晋三のかかげた標語が「戦後レジームから脱却」であったけれども,ほかでもなくその敗戦後体制のなかにみずからはまりこみ,しかも経済面では,縮小再生産という閉路へ牽引していくだけでなく,また政治面では,民主主義の溶融を陣頭指揮を執って早めるといったごとき,
まさしく「悪例首相采配として第1の見本」みたいな,いうなれば「幼稚と傲慢・暗愚と無知・欺瞞と粗暴」の発揮しかなしえなかったという,その「為政の拙劣ぶり(ダメっぷり)」を,思う存分(?)に披露してきた。
【参考資料】-『日本経済新聞』2024年9月24日朝刊から-
※-3 安倍晋三が山上徹也に狙撃・銃殺されたのを契機にこの世襲3代目の政治屋の本性が露呈した
この※-2以下は,2022年9月23日に一度公表されていた文章であるが,その後,ブログサイトの移動にともない,お蔵入り状態になっていた。
このたび,岸田文雄の自民党政権が幕を閉じ,石破 茂が首相になったのを機に,そのさい,村上誠一郎が19年ぶりに大臣職(総務大臣)に就いたという報道に接したところで,以下に再録する文章の所在を思い出し,本日復活させ再掲することにした。
なお,本日に転載するに当たっては,必要に応じて補訂・加筆がなされることになった。
--2022年7月8日,山上徹也の狙撃・銃殺事件が起きて以来,「国賊・売国奴であった政治屋安倍晋三の本質」がくまなく露呈してしまい,「安倍の幸せ=国民たちの不幸せ」であった日本政治の真相も,より鮮明となってきた。
統一教会(世界平和統一家庭連合)という阿片に溺れた自民党政権が,いまだにまともな反省の色さえない事実は,まさしく日本の民主主義にとって危機的状況を意味する。
【前 言】(ここで若干の断わり)
昔,ハナ肇が出演した映画で『バカが戦車でやって来る』(東宝,1964年12月20日封切り)という題名の喜劇があった。しかし,いまの日本はすでに,政治の世界ではその「バカが霊柩車が去った」国になったとはいえ,あいもかわらず自民党政権は傲岸不遜,傍若無人の態度を持続させたまま,依然大きな顔をして日本の政治世界に居つづけている。
ただのドンキホーテ的な政治家だったならまだしも,山上徹也に狙撃・銃殺された〔とされるが,第3の狙撃手が居たゆえ,もっと組織的に安倍晋三殺人犯行を起こした裏集団がいるとの指摘あり〕安倍晋三の場合,とくに第2次政権時(2012年12月26日~2020年9月16日,7年と8カ月)を通してだが,
この「美しい国」であるはずのニッポンの政治・経済・社会・伝統・文化を,まるで戦車に乗って田んぼや畑を荒らしまくっただけでなく,むろん市街の住宅地までも出張っては壊してしまい,いまや『この国全体のあり方』までを完全に破壊してきた。
ただし「国賊・売国奴としての世襲3代目の政治屋安倍晋三」はいま,自分の為政がいかに大失敗と大失策ばかり重ねてきたかをしる由もない別世界にいる。
生存中には自己認識がいっさいかなわなかったその経過である。彼は自身にとって「負そのものでしかありえない足跡」を残してきた。結局,数字で表わすとしたら「とてるもなく大きい赤字しか生めない実績」を山積させてきた。
安倍晋三が死んだあと,アベノミクスは転じて本当はツボノミクスだったとまで皮肉られた。本日の(ここでは)『日本経済新聞』2022年9月23日朝刊3面,『毎日新聞』同上,朝刊3面の記事を画像で紹介しておく。とくに図表に表示されている「ドル・円」の為替レートに注意したい。
これら紙面に踊っていた見出し文句だけ注目しても,アベノミクスのせいで「円安との戦い」において,いまなお “八方塞がり” を強いられている日本経済の苦境,換言すると,攻めるための「矛」をもちあわせておらず,ただ脆弱な「楯」で防戦一方である国家経済政策面の窮状は手に取るように理解できる。
現状におけるこの国の経済の構造と機能は,アベノミクスのツケは大きかったなどいった表現では間に合わないくらい破損されてきた。もちろん,アベノポリティクスとしてのこの国の政治の次元でも,この担当者がいままで劣化・腐敗させてきた負の成果は甚大であり,計りしれないくらいに自国の基盤を脆弱にした。
国賊,売国奴だと指弾されて当然も当然に過ぎる最悪の評価が,安倍晋三に対して下されてきたが,当然だったというほか受けとめようがない。
日本の政治そのものも,あえて何流になったとか評定する余地すらないほど極悪にまで低劣化した。統一教会風自民党と創価学会味公明党の野合政権が落ちるところまで落ちたなれの果ては,多分まず,つぎのように把握できるかもしれない。
「岸田政権の支持率は各紙下落した。自民党はあまりに統一教会と一体化してしまっていたため,問題の深刻さに鈍感だった。日本国民は安倍銃撃によって目覚め,冷静な判断のもと,自民党を支持できなくなっている」『板垣英憲(いたがき えいけん)「マスコミに出ない政治経済の裏話」~ニュースにブログ~』2022年09月20日 23時56分44秒,https://blog.goo.ne.jp/itagaki-eiken/e/43f03c0d6037a2bf0576356995bd4839 のいいぶんを紹介しておく。
それでも,アベが第2次政権を組閣する以前であったが,この「世襲3代目の政治屋」を心から応援していた櫻井よしこがいた。
この櫻井よしこは「安倍晋三氏 × 櫻井よしこ氏 『誇りある日本人としてから今,如何に行動して,何を次世代に伝えてゆくか』」『GLOBIS 知見録 ビジネスが身近になるメディア』投稿日 2012.01.23,更新日 2019.04.09,https://globis.jp/article/2392
という具合に,まさに「人棺を覆うて後定まる」の実例1件を提供するしだいになっていた。
結局,櫻井よしこは生前,本当の国賊だ売国奴だと強烈に批判されてやまないアベとは親しく語りあえる間柄の人物であっただけに,恥ずかしさもひとしおだと推測したいが,あにはからんや当人はそれほどもなかった。
2024年9月27日に実施された自民党総裁選では,高市早苗を側面から支援したとか……。
なかんずく,安倍晋三が「誇りのある日本人」として本当に,政治家として自分なりに「理念と論理」をもっていたか?
2022年7月8日,アベが山上徹也に狙撃・銃殺された事件を境にしてあとの現在となれば,前段のようないいぐさはもはや完璧といっていいくらい,まったく「ウソと偽り」の文句にしかなりえなかった。というかそれ以前に自分の政治にかかわる信条とか信念は,実は,ほとんどなにもなかったとしかみようがなかった。
前々段の文句の「誇りある日本人」とかいったセリフは,いまとなって思い返すに,第3者の立場からだと,とても恥ずかしいもの中身にしか備えていなかった。
ここでは関連して参考にまで,前段『 GLOBIS 知見録 ビジネスが身近になるメディア』から,本文の記述からではなく,小見出しにかかげられていた文句のみ引き出しておくことにしたい。なお1項目だけ割愛した。
★-1 政治家や国民が,それぞれの課題を追うだけでは間に合わないところに日本は立っている(櫻井よしこ)
⇒なにをいいたのか分かりにくいが,政治家や国民をいきなり飛び超えたつもりで,その地平からなにかを示唆していたつもりだと推察しておく。
★-2 国家とは,「自分ですべてを賄う」という志のうえに立つべきもの(櫻井)
⇒「公助・共助・自助」のうち,公助は期待するな,まず自助だ,つぎに共助だ,公助は一番あとまわしにしておけ,頼ってはいけないという迷文句の別表現。
★-3 日本人の価値の伝承とともに,大きな視点で国際社会をみる力を養うべき(櫻井)
⇒「日本人の価値」とはなんぞや? アベが死んで残したそれは「価値」などとはいえず,まったくに「国恥・国辱」そのものであった。
なかでも,アベの外交はデタラメで失策つづきであった。アメリカにはひたすら追従しつつ服属するのみであった。
とくにロシアに対しては対等に口がきけず,プーチンには完全にマウンティングされつづけ,まるで「子どもの遣い」のごとき屈辱外交しかできていなかった。
★-4 この美しい国を焼け野原にしないよう日本のなかで変えていくべきこと,変えてはいけないこと
⇒日本を経済的次元とそして政治的次元とにおいて,まるで焼け野原にするような光景にしてきたのは,いったいどこの誰であったか。
★-5 戦後65年,私たちが価値の基準を損得に置いてきてしまった(安倍晋三)
⇒「ネポティズム(縁故主義)の(つまり損得勘定になる)政治体制」を作ったのがアベであった。かつまた「私物化(死物化的な利権政治)一色の政治模様にした」のは,いったいどこの誰であったかなどというまでもなく,これもアベの仕業であった。
★-6 “公の気持ち” を個々人がもつことの重要性(櫻井)
⇒つまり,櫻井的なこの種の発想にしたがえば,「個人の権利だとか,市民・人民の立場・意識にこだわること」は止めたほうがよい,国家の立場・政府の「公の気持ちをもっともつべきだ」という考え方,この一辺倒にになることが推奨されていた。
しかし,この政治的な発想はむろん,専制主義の独裁国家体制の枠内であればよく適合しうる「櫻井よしこ」のいいぶんではありえても,日本の民主主義を溶解させるための意見でしかありえなかったゆえ,まともに耳を傾けられる意見にはなりえなかった。
★-7 まずは過去や先人に対して,愛おしさをたたえた眼差しを持つこと(安倍)
⇒安倍晋三の場合であれば,母方のオジイチャンである岸 信介に対してこの手の眼差しをもてるのかもしれないが,一般論でこのようにいわれても困る。安倍晋三はすでに「故人になっている」が,無条件に「先人だからといって愛おしさを抱けるような人物ではけっしてありえない」点だけは,贅論を俟つまでもなく非常に明白であった。
「上から目線」で道徳・倫理を説くことに熱心であったこの櫻井オバサンは,どだい日本国憲法の基本的な理解からして全然なっていなかった事実を小林節との対話の途中で徹底的に暴露されボロを出してしまったあげく,恥ずかしさのあまりか,その場からそさくさと逃げ去った過去歴から明白であった。
それゆえ,彼女がなにをいっても「あなたの手前味噌」だという所感しか抱かせなくなっていたゆえ,そういつまでも「教訓を垂れつづける」のは,たいがいにしたほうがよろしいのである。
★-8 われわれが世界にとって目標となるような国になることが,誇りにも繋がる(安倍)
⇒いまどき「日本が〈世界にとって目標〉となること」じたいが,アベが政権を構えていた時期が経過していくうちにあっては,どんどん失われていったのではないか? ましてや「国恥・国辱の首相であった安倍晋三」にいってほしい「その種の文句」などでは,けっしてありえなかった。
男女共同参画社会の構築・展開にすら反対してきた安倍晋三自民党政権内の国会議員が大勢いた。これらの人びとは,統一教会風の「家・家族観」に影響された思考をもって,そのような自分たちの「女性差別観」を身につけていた。
2世紀も前の,つまり,大昔風の社会思想に汚染されていた「家イデオロギー」「家族制度観」を誇るという時代錯誤を,いまだに指示できる頭脳のありようは要診察。
★-9 国と国との歴史は,一瞬だけを取り出して現代のスタンダードから裁くのは間違っている(安倍)
⇒少なくとも安倍晋三が政権を担当してきた時期に限るが,その間における日本の歴史は「それじたいの一瞬,一瞬ごと」が「現代のスタンダード」から逸脱していた。
それだけのことであった実体を,さらにもう一度逆さまにしたかっこうで,このように発言したがる安倍の立場は,もともと「自分の歴史観」などもちあわせず,というか,むしろ「歴史に無知そのもの」であった「世襲3代目の政治屋」として,その独りよがりぶりを,バカ正直に物語って〔自白して〕いただけであった。
以上,櫻井よしこや安倍晋三がいっていることと来たら,いいたいことのそのすべてが,「現代日本の政治社会のあり方」をめぐってだが,実は,ただ「真逆なことを,大昔風にいっていた」に過ぎない。
安倍晋三が首相としてこの国を指導してきたはずのもろもろが,実際のところは「日本破壊」を意味してきたに過ぎない。安倍晋三の死後になされた櫻井よしこの発言は,トンチンカンの最たる好事例になるほかなかった。
櫻井よしこは,安倍晋三が死んだ直後,『産経新聞』にこう書いていた。この程度の賛辞では,「裸の子どもの王様・宰相」の死にさいして,適切に差し向けられるべき餞(はなむけ)にすらなるまい。
笑止千万であったこうした櫻井いいぶん,より明確に指摘するとしたら「日本じたいを取り逃す為政」を性懲りもなく,というよりはその自覚もなしに反復してきた安倍晋三の政治実績をとらえて,このように賛美できたよしこ氏の感覚は,見当違いもはなはだしい。それどころか,自身自身の判断基準が当初からねじれていた事実にすら気づかない迂闊さを,恥ずかしげもなく開陳していた。
安倍晋三が日本の首相として「もっともふさわしいと期待されながら(ということはもしかすると未来に向けて期待がさらにまだあったということか)」とまで賞賛する言辞に対しては,贔屓の引き倒しであった以上に,まさに愚の骨頂でもあって,ともかく抱腹絶倒させられるべき過大評価を意味した。
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【断わり】 「本稿(その2)」は,できしだいここにリンク先住所を指示する。
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