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昔 スペインの公園で起きた、盗難未遂と掃除夫


演奏旅行でイタリア ローマ公演の後、スペインに向い、旅行を楽しんだ。
子供2人も一緒だった。
演奏会に際しては、私自身かなり集中して臨んでいた為、子供とは遊べなかった。
演奏会後は、浮かれた一人の観光旅行者となり思いっ切り、楽しんだ。
こうなると常に、子供をどう遊ばせるかが、大きな課題だった。
その事件当日も、市内を散策し、子供用の遊具が有る、公園を探した。
それは万国共通で、すぐに見つかった。

ブランコとシーソーを備えた比較的小さなそれであった。
大体のパターンとしては、私が荷物の番人、家内が遊ばせ役だった。
私は用心深いので、家族のパスポート、現金等は誰にも持たせない
死ぬ迄、私の担当は絶対外す気はなかった。
万が一の事が有れば、同行のグループに迷惑が掛かるし、最悪、帰国が遅れる事になる。
それは絶対避けなければならなかった。
特に、今回の訪問国は盗難が多いと事前に、何回も添乗員から注意喚起が有った。
記念写真を見ると、皆がバッグ類をたすき掛けにし、その上から上着、コートを着ていて不思議な光景だった。
さて、遊びの話だが私は貴重品はどんな時も身から離さない
極端な話、風呂に入る時も、必ず見えるところにそれを置く。
これは何十回も行った海外旅行の絶対変わらない私の決め事だ。

公園の事は今でもハッキリ覚えている。
妻の真っ赤な、皮の大きめのバックを預かった。
そして子供たちは30メートル先に有るシーソーで遊んだ。
この公園は周りを生け垣に囲まれており、真ん中に通路が有り、多くの人が行き交っていた。
私はベンチに座り、赤のバックを右隣に置いた。
子供は、元気で、とても楽しそうだった。


暫くして背後に人気を感じ、驚いて振り向いた。
生け垣と背もたれの間に若い男が棒を持って立っていた。
目が合った時の彼の驚いた顔が忘れられない。
そこで私は、「何してる!」と一言叫んだ。
すると彼は、ビックリはしたが、その後、微笑んで、その棒で地面を履く仕草をした
つまり掃除をしていたと言う意味なのか?
そして私が立とうとすると、足早に逃げていった。
その妻の赤いバッグには大変な物が入っていた
ビックリしないでくださいよ!

うん 何が入っていたのだ?

実は、鼻をかんだティッシュペーパー数枚とハンカチだけが入っていたのです。

用心深い私の勝ちでしたね!

やったね!

拙い文ですが、溢れ出る思いを、人に伝えたいと願っています。日常にある小さな出来事ばかりですが、その視点により皆が幸せになれると嬉しいです。何より読んで欲しいと切望しています。宜しくお願いしますね!