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価値観

元夫と時々会います。
その度になぜ離婚したのか少しずつ向き合うことになります。
女遊びがあったわけでもなく、金遣いが荒かったわけでもない。
ギャンブルがあったわけでも、暴力があったわけでも。
いい人でした。根っからのいい人。
優しくて、真面目に仕事に取組み、よく笑い、家事も当たり前のようにしてして。料理も得意で、何事も卒なくこなす人。

時々会うと、別れた理由を一瞬思い出せなくなります。
それほど穏やかな時間だからです。

でも別れました。
いろんな理由が絡み合ってますが、その一つはやっぱり価値観の違い。

私は私の価値観に縛られ、しかもそれを夫をその価値観の枠にあてこませたんだと思います。

夫は多趣味でした。無趣味な私にとって刺激的でした。
そんな夫に「私」の価値観を求めていました。
もちろん優しい夫でしたので、受け止めてくれていました。頑張って。

夫婦だからセックスするのは当たり前。
夫婦だから子どもを望むのは当たり前。
夫婦だから一緒にすごすのは当たり前。

それが崩れそうになって、私は不安が強くなって、そして傲慢になった。
私の「正解」を押し付けた。

私の価値観を求めるたびに夫が壊れていきました。
身体も、心も。

別れが決まってから、少しずつ穏やかな生活に戻りました。

別れた今、彼は趣味に没頭しています。
私といたら恐らく枠があった生活だったから出来なかったであろう趣味に。

私に足りなかった一つは、新しい価値観を受け止める器。
そして自分の知らない世界をみる勇気。
きっとその知らない世界に一緒にいける人だったと思います。
でもその時はできなかった。

別れるとき、「解放してあげなきゃ」という感情になったのを覚えています。彼らしさを私が潰すことは、その時の私の精神状態でも見えました。

そして同時に自分らしさとも向き合った時期でもありました。
「君らしくない」「我慢しなくていい」離婚するときに色んな人からかけてもらった言葉です。
セックスは、私にとっての執着かもしれないと思った時期もありました。
家族の在り方を見つめ直すチャンスだったのかもしれない。
私の知っている「家庭」「家族」からの呪縛から“解放”できるチャンスだったのかもしれない。

それでも、離婚を選択した今があります。
自分たちがした決断に責任をもって生きていかなければならない。
彼のために離婚した、なんて傲慢なことは言えません。

結婚生活で学んだこと、離婚で学んだこと。
きちんと向き合って、きちんと反省して、自分の人生の糧にすることが今の私の課題です。

価値観、自分らしい、自分に嘘をつかない、自分をもつ・・・
どれも変化していくんだということを受け止められる人間になりたい。

#離婚 #価値観


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