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不機嫌ということ

1.さよなら

降りていく
坂道を降りていく

陽は傾けば傾くほどいいね
だけど、
沈み込み過ぎてはいけないよ
つまり、
僕は夕暮れが好きだし
それは、
僕と君が一緒の時間だから

どれだけはしゃごうが
どれだけ仲良く遊ぼうが
いつも夕暮れ
夜は僕らを追い詰めて
夜は僕らに襲いかかるよ

僕は君のために
君は僕のために

永遠に、あのオレンジと紫を
だけど、
君は夜も愛おしいと言う
それは、
新しい朝を願うからだとも
ならば、
僕はもう君なんか要らないよ

2.宇宙

帽子が飛んだUFO
君の言葉のUFO
ああ、容赦なく飛んでくる
ああ、とめどなくて、光

空に、あの空に、
手を伸ばして、落っこちて
雨が降る。
排水溝に流れてく

君は太陽?
それとも、アンドロメダ?
失って、遠ざかって
思い出なんて要らない

量子もつれて
君に夢中
一等星、さんざめく青色なら
僕は焼かれよう

3.どんぐり

気づけば
どんぐり落ちている
たくさん、たくさん
落ちている

どんぐりの木が植わってる
列をなして
植わってる

僕はキョロキョロ
見回して
どんぐりコロコロ
おののいて
僕はしゃがんで捕まえて

そっと一粒
捕まえて

じっとそいつを眺めてた

どんぐりクリッと
可愛くて
緑と茶色がしみ込んで
縦じま模様で
着飾って

しゃんと
中身が詰まってて

僕はどんぐり投げ捨てた
遠くに、遠くに
投げ捨てた
僕はどんぐり踏みつけた
ぱりぱり、ばりばり
踏みつけた

僕は急いで帰ったよ
家に向かって帰ったよ

4.もしもの無限

素数とクレッシェンド
7は孤独
リーマンの心臓
どこまでも続くから

恋しいのは
犬のしっぽとアイスと
君のまつげ
どんな僕も作るよ

全ての調和から

アンデスの春
パナッハが広がって
寝転んだ
タルスキを結んで

君の子宮が
僕を誘っていたけど
僕には登れない
凍てついてしまう


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