家事をしない妻

タイトルは私のことである。

誰に言われたわけでもない。

でも私が今までの思い込みから自分自身を評価して、私に言っている言葉。ネガティブな印象を含むもの。


私の実母は専業主婦。

短大卒業後に幼稚園教諭として働いていたけど、数年後、姉を出産後に子育てに専念したくなり、辞めたそうだ。

ということで、私の実家は典型的な昭和平成のサラリーマン家族。

父は働き、母が家事をする。それが当たり前の形。


今から思えば、きっと母は家事は好きではなかった。それでも「当たり前」と思い込んで、役割を担おうとしていたんだろう。他の人に手渡さずに。それがイライラや不満に繋がり、爆発させているところを何度も見た。

実家はいつも乱雑に物に溢れて、定期的に掃除をする習慣は誰にもなく、料理に関しては嫌いだと母自身が公言していた。


私はそんな中で育ち、そして学業の過程で「男女平等参画社会」という言葉を知り、なんとなく自分の解釈で「女性だけが家事をさせられているのは不平等だ」「女性も手に職を持って社会に出るべきなのだ」という感覚を上乗せして、大きくなった。

(この時点で、「家事をさせられている方が負け」という思い込みをなぜか持っていたのだ。)

その結果、いつの間にか「(特に女性は)家事をしなければならない」という思い込みと、「女性だからといって家事をさせられるべきではない」という相反する思い込みを同時に抱えて、大きくなっていった。

その思い込みの中には「家事」というものの本質がすっぽり抜け落ちていて、シンプルに家事そのものの目的や意義を見直したことはほとんど無かった。


…というのは今から振り返って分析したことで、これまでの実際の私といえば、

めんどくさがり屋で、その反面見栄っ張りで、普段は家事をできるだけ何もしたくなく、他人に触れられる時だけ見た目を小綺麗にしたくなり、それで隠しきれない汚さを心の隅で感じながら自分を叱って、自己評価を下げ続けてきた。

学生時代、一人暮らしまではそんな自分を「ダメな人間」と評価し、人前では時に道化を演じることで済んでいた。

そして結婚後、そこに「ダメな妻」が加わり、出産後、「ダメな母」が加わった。

(というのは最近気がついたこと。)


何がダメなのか、特定の誰かや自分の母親がダメというのではない。

分かっているのは、「母たるもの」という思い込みとか、「こんな母が良かった」という理想とか、自分のなんだかあやふやなものをなんとなく正しいと思っていて、「今の自分は正しくない」となんとなく決めつけていたことだ。


まず、正しいとか正しくないとかの見方から抜け出すこと。事実に対して色んな見方があるだけで、絶対はないんだから。

ということを、うつになってから人の話や本の中から学んだ。(これまでも耳にしていたけど、自分のことと思っておらず、腑に落ちてなかったのだ。)


そして、これからの自分は、これまでの思い込みを一旦置いた後に、どうしていく?それを行動していきたい。

「時代が作った思い込み」の方にも興味がある。時代がどんな思い込みを作ってきたのか。他にも同じような人がいるんじゃないのか。


そんなことを、今、一昨日から溜め続けている食器洗いと、今朝ほど子がおもらしして出来た布団のシミと、食べカスや塵が散らばる不快なフローリングの床を見ながら、このnoteを打っている。

私がダメとかどうとかじゃなく、とにかくこれを誰かがなんとかしなくちゃなぁ〜。めんどくさ。

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