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単元別ポイント07_大岡信「言葉の力」(光村中2)

自分の経験をもとに、中学校の国語教科書教材におけるポイントを簡単にまとめていきます。

中学2年生の光村教科書から開始し、いずれは3学年分すべて作成できればと思っています。

第7回は大岡信さんの「言葉の力」。1980年代から採録し続けている定番随筆です。「随筆」は授業で扱いにくいという声も聞きますが、「抽象⇔具体」の往還を徹底するよい機会になるのではないかと考えています。

※記号の凡例

・:作業、確認

◎:発問

★全5時構成

〈第1時〉

◆「随筆」というジャンルについて知る

・「随筆」とは何かを確認する。

※芸能人の以下のようなエッセーを紹介すると、生徒の興味も惹きつけられるのではないか。

◆本文の全体像をつかむ

◎本文を一読し、「言葉の力」はどのようなものであると筆者は述べているか、まとめよう。

→個人で記入+ロイロノートで共有

・本文全体が「抽象→具体→抽象」の流れになっていることを確認する。


〈第2時〉

◆抽象⇔具体の確認

◎「これは言葉の世界での出来事と同じことではないか」(75ページ19行目)とあるが、何と何がどのような点で同じだと筆者は述べているのかまとめよう。

→個人で記入+ロイロノートで共有

※勤務校が私立なので、「記述」の練習も兼ねている。


◆本文の要約

◎これまでの活動を踏まえ、本文を100字以内で要約してみよう。

→個人で記入+ロイロノートで共有

※具体例の多い本文から、筆者の主張になり得る抽象的な部分を抜き出し、まとめる練習となる。


〈第3時~第5時〉

◆校内版「ワタシの一行コンクール」の実施

・新潮文庫「ワタシの一行」の紹介をする。

・図書館にある本ならどれでも該当図書とする。

・新潮文庫の当該図書を選んだ場合は、応募をする。

・3時間図書館で授業をおこない、自由に本を読みながら気になった一行を探し、その一行に対する思いをまとめる。

※2021年度に授業をした際に、中学2年生が選んだ図書一覧を以下に添付します。どうぞご参照ください。(生徒に還元するために手打ちしましたので、打ち間違い等あるかもしれません。ご容赦ください。)


〈一言コメント〉

冒頭でも述べたように、「随筆」を苦手とする声も多く、授業がやりにくいという声を一定数聞きます。しかしながら、生徒にとってより身近な随筆を紹介すること、目的意識を持って随筆を読むこと、随筆に触れる体験をすることなどを通して、生徒自身が主体的に随筆というものに向かうことができるように感じます。


※参考サイト、文献


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