2024年6月13日(木)座敷牢の中から

昨日は映画『破戒』をプライムビデオで観ました。もっと昔に作られた映画『破戒』も観たことがあります。

そういえば『夜明け前』も、かつて映画化されたと聞いたことがあります。いつか観たいと思っていますが、おそらく音声が聞き取れないほどに、フィルムは劣化していることでしょう。それでもいいから、画面だけでも、いつか観たいと思います。

小説『夜明け前』の、いくつかのシーンのことを、時折に考えます。狂気にとらわれて座敷牢の内側から、外を見つめている自分のことを、考えてしまったりします。ぼくは小説はあまり読みませんが、島崎藤村の小説は好きで、若い頃に読んだ『夜明け前』には、ひどくうたれました。すごい小説です。

ところで、ぼくは幸せにも、これまで詩の講演を何度か頼まれてきました。その都度、何を話そうかと考えてきました。

杉並では、まど・みちおの話をしました。
神戸では、自分の詩の話をしました。
高崎では、萩原朔太郎の話をしました。
市ヶ谷では、阿部恭久の話をしました。
静岡では、長嶋南子の話をしました。

ひとつひとつ、声を枯らして話したことを思い出せば、胸が熱くなります。

あと、どこでだれの話をしただろう。

これから、どこでだれの話ができるだろう。

6/15には、鶴見でひとりの詩人の話をします。

そして、自分に何が話せるのだろうと、急に恐くなったりもします。

てきるならば、座敷牢の中から、目にいっぱいの涙をためて、獣のように吠えるような講演を、いつかしたいと思っています。


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