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投資ファンドが大正製薬ホールディングスのMBOに反対を表明したようですね


雑談です。平日の朝の習慣

雑談ですが、皆さまの朝のルーティーンというか習慣は何でしょうか?先日、証券会社時代に仕事を通じて知りあった某大手メーカーの元専務の方と数年ぶりにお目にかかり、そんな話になりました。

ちなみに私は朝はオフィスに7時45分頃には出社するようにしてますが、始業時間である8時45分までは基本的に情報収集の時間にしています。今時珍しいかも知れませんが、紙の日経新聞を購読しており、通勤時間25分でざっと斜め読み(正確には電車に乗っている15分間だけ)をし、オフィスでも読んだ後、始業時間ぎりぎりまでテレビ東京のビジネスオンデマンド(月額500円)でモーニングサテライトニュースを机のパソコンで見ながら、新聞記事で参考になる記事をちょこちょこ手書きでマイノートに書き留めています。

個人的にモーニングサテライトは、情報収集に便利かなと思っています(けど一番はやはり日経新聞ですかね)。ニューヨークの株価から始まり、経済情報をざっと頭に入れることが出来ます。人ぞれぞれ習慣はあるのだと思いますが、その元専務の方は、朝の時間を30分でも良いので有効活用するだけで、朝から雑談して過ごしている人と知識の点で天と地ほどの差が開くと前から言っていていましたので、私もそれを見習っております。

大正製薬ホールディングスのMBOに投資ファンドが反対

さて、本題に入ります。大正製薬ホールディングス(大正製薬HD)が以前にMBOを公表したことに対して、投資顧問会社が反対表明をしたことを次のとおり記事で紹介しました。

その後、TBOは通常どおりに進み1月に完了したようですが、先日、投資ファンドであるキュリRMBキャピタルが、MBOへの反対を表明したようです。

3月に開催予定の大正製薬HDの臨時株主総会で議案に反対を投じる予定のようですね。大正製薬HDの臨時株主総会の招集通知は次のとおりです。

https://www.taisho-holdings.co.jp/investors/shareholder/pdf/Ex202403_Convocation.pdf

マスコミ報道によると香港の投資ファンドであるオアシスもMBO価格は最低でも1万1000円以上とすべきだとして、臨時総会で関連議案に反対する意向を表明しているようです。ここにきて投資ファンドの動きが活発化しています。

MBOに反対する理由は?

キュリRMBキャピタルの上記の2月21日付けのプレスリリースによると反対の理由として3点あげています:(ア)特別委員の適格性に疑義があること(イ)特別委員会が独自のFAを選任しなかったこと(ウ)本来の価値に対して低すぎるMBO価格となったことの3つです。

この中で、「(ア)特別委員の適格性に疑義があること」についてのプレスリリースでの記述は次のとおりです。以下は該当箇所の抜粋になります(太字は強調のため私が記しました)。

2019年に策定された「公正なM&Aの在り方に関する指針」(以下「改定MBO指針」といいます。)では、特別委員会は「中立の第三者的な立場ではなく、対象会社および一般株主の利益を図る立場に立って(中略)検討や判断を行うことが期待される」と明示されています。そして、特別委員会の委員(以下「特別委員」といいます。)は、社外取締役が最も適任であり、社外監査役および社外有識者はあくまでも補完的な役割としての適格性を有するに過ぎないとされています。しかし、本件MBOでは、特別委員には社外取締役が一切含まれておらず、本来補完的な役割しか期待されていない社外監査役2名および社外有識者1名のみが選任されています。このような適格性が十分とは言えない特別委員の構成を前提とした場合、本件MBOを検討する際に、通常の場合にもまして、公正性を担保するために厳格な手続きを行うべきであることは自明です。

2月21日のキュリRMBキャピタルのプレスリリースより

MBOの場合には、経営陣の利益相反問題が常に出てくるので、特別委員会で公正価格等の判断が求められますが、その構成委員の構成が妥当でないという主張のようですね。

次に「(ウ)本来の価値に対して低すぎるMBO価格となったこと」についてのプレスリリースでの記述は次のとおりです。以下は該当箇所の抜粋になりま(こちらも太字は強調のため私が記しました)

実際、一株あたり8,620円という本件MBO価格は、形式的には、直近の大正製薬の市場株価に対し50%超のプレミアムを上乗せしているとはいえ、一株あたりの純資産価格から約15%もディスカウントされています。また、本件MBO価格を決定する過程において、大正製薬が保有する潤沢な余剰資金が、どのように考慮されたのか明らかになっておらず、検討が十分になされていない可能性があるとキュリRMBは考えます。それゆえ、本件MBO価格は、不当に低く抑制され、一般株主の利益が損なわれており、大正製薬の本来の株式価値は、少なくとも2023年9月末時点での一株当たりの純資産価格である約10,132円を下回らないとキュリRMBは考えます。

2月21日のキュリRMBキャピタルのプレスリリースより

MBO価格が低いということですが、これまでのMBOの事例でもめるのはこの点ですね。

MBO価格は、プレミアムを付けるので今現在の市場株価より高い場合が多いので、一見すると株主にお得のように思えます。しかし、それは今の株価で投資をした株主にはたしかにそうかも知れませんが、仮に1年前の株価が今よりずっと高かった場合はどうでしょうか?
特に現在の株価がPBR1倍割れの場合と仮定します。とするとプレミアムを付けたところで、過去の高値で買った株主には、必ずしもお得ではないのです。つまり、長期で保有している株主には、プレミアムを付けたMBO価格は必ずしも報いていないということになるのです。

大正製薬HDの株価推移は私は見ていませんので、詳しいことは言えませんが、基本的にはMBOの価格でもめるのは上記のような考えになるかと思います。

PBR1倍割れ銘柄のMBOの場合にはMBO価格が果たして妥当かの確認が大事です

これは何度かnoteに記事を掲載しているので今更の感もありますが、個人投資家としては、今の株価に対するプレミアムで満足するのではなく、その企業がPBR1倍割れの場合、プレミアム価格でPBRを計算した時に何倍になるのか、そもそもその企業の理論上の株価はいくらであるのかを考えることが大事かなと思います。

過去にnoteに関連する記事を掲載していますので、再掲させて頂きます(過去にも何度か掲載しており、若干くどいかも知れませんが、その点はどうかご容赦下さい)