コーポレートガバナンス・コンサルティング

経営者、投資家の方に向けたコーポレートガバナンスに関する情報発信 / 証券会社と事業会…

コーポレートガバナンス・コンサルティング

経営者、投資家の方に向けたコーポレートガバナンスに関する情報発信 / 証券会社と事業会社での実務経験を踏まえ、コーポレートガバナンスの視点での企業価値向上を目指したコンサルティングの副業が一つの目標/ 東北大 法→事業会社(東証1部)→証券会社→ 事業会社(プライム上場)

マガジン

  • 経営層、IR/SRご担当のためのコーポレートガバナンスの実務

    証券会社と事業会社での機関投資家とのエンゲージメント(対話)を通じて、本には書かれていない実務面の記事を掲載しています。上場企業の経営トップはじめ経営層の方、IRやSRの実務をご担当されている方向けに、教科書的なことを一切省いて、実務で役立つ視点に絞っています。

  • ビジネスマン・個人投資家のためのコーポレートガバナンス勉強会

    個人株主や個人投資家の方がコーポレートガバナンスを理解して、少しでも機関投資家と同じ目線で上場企業を見ることが出来ればと思っています。資本市場関係者との対話の仕事を通じて、事業会社の実務の観点も踏まえて、分かりやすくコーポレートガバナンスを解説していきます。いずれは集合して勉強会を開催出来ればと考えています

  • 敵対的買収(同意なき買収)、TOB、買収防衛等に関する攻防

    上場企業に対する敵対的買収、それに対する買収防衛策等のストラテジック・バイヤー、フィナンシャル・バイヤーと上場企業との攻防事例について分かりやすく解説をしていきます

  • 中長期での中小型株投資

    中小型株を中心に中長期での株式投資を実践しています。企業の財務状況、事業概況、事業の将来性を見て、四半期決算の都度、投資先の各銘柄のIR部門に質問をするなどファンダメンタル分析重視の中長期株式投資です。中小型銘柄に関連する情報等を紹介していきます

  • マクロ経済データ、株式投資関連などの情報

    中長期で株式投資をする上で参考になりそうなマクロ経済データ、株式投資情報などを掲載しております

最近の記事

今年の株主総会は終わりましたね ー 賛成率の低い企業が来年に向けて夏休み前までに整理すべきこと

今年の株主総会の課題は夏休み前に整理しておきましょう6月も終わり明日から7月です。3月期決算企業の定時株主総会も6月末で終わりました。先日の日経新聞に次の記事がありましたが、経営トップの賛成率が低い数値で終わった企業もあるかと思います。 とは言え、賛成率が低くても可決されているので、経営トップはじめ事務方の皆さんはひとまずほっとしているところだと思います。 けど、ここはもう少し緊張感を持続させて、夏休み前に来年の株主総会に向けて各社は総会の振り返りなど整理しておくのが大事

    • 未だに株主総会の準備に相当力を入れている会社って意外に多いです ー けど株主総会の出席者は誰かを良く考えましょう

      株主総会の準備にそんなに力を入れなくてもいよいよ来週からは多くの企業で定時株主総会が開催されますね。多くの企業では、社長以下取締役は総会の準備としてQ&Aの準備・読み込みに相当な時間をかけるのだと思います。けど、個人株主しか発言しない総会の準備にそこまで時間をかける必要はあるのでしょうか? プロである機関投資家との経営トップのスモールミーティングでもそこまで対話の準備はしないのに、総会リハーサルにめちゃくちゃ頑張っている会社ってありますよね。証券会社に在籍していた時からそ

      • 金融庁「コーポレートガバナンス改革の実践に向けたアクション・プログラム2024」 ー 今後のコーポレートガバナンス改革の方向性

        コーポレートガバナンス改革の実践に向けたアクション・プログラム2024ご存じの方も多いかも知れませんが、6月7日に金融庁が「コーポレートガバナンス改革の実践に向けたアクション・プログラム2024」を公表しました。次のとおりです。 コーポレートガバナンス改革の今後の方向性を打ち出したもので、今後この方向性で具体的施策が決まっていくことになります。本日はこの中で掲げられている具体的な課題と今後の取組みを紹介するとともに、簡単な補足をしたいと思います。 課題1 スチュワードシ

        • 「動物福祉」を求める投資会社の株主提案 ー はじめて見るケースですね。米国では急増のようですが

          わかもと製薬への株主提案本日の日経新聞にアニマルウェルフェアを求める株主提案が日本でも出始めたということで、わかもと製薬に対する投資会社の株主提案の記事が次のとおり掲載されていました。 実際にわかもと製薬の株主総会の招集通知を見ると第6号議案に「実験動物の動物別購入頭数の開示を定款目的事項へ追加する定款一部変更の件」として、動物別購入頭数を開示するよう定款変更を求めています。提案の理由は次のとおりです。 国際的な基準理念の3Rの原則が守られるよう透明性を高めてもらうこと

        今年の株主総会は終わりましたね ー 賛成率の低い企業が来年に向けて夏休み前までに整理すべきこと

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        • 経営層、IR/SRご担当のためのコーポレートガバナンスの実務
          38本
        • ビジネスマン・個人投資家のためのコーポレートガバナンス勉強会
          56本
        • 敵対的買収(同意なき買収)、TOB、買収防衛等に関する攻防
          16本
        • 中長期での中小型株投資
          2本
        • マクロ経済データ、株式投資関連などの情報
          3本
        • 東証の市場区分の見直しに関するフォローアップ会議の情報
          6本

        記事

          今更ですがROEのポイント ー 株主総会の時期ですので、個人株主・ビジネスマンの方向けにポイントを簡潔に整理しました

          ROEは今年の流行語大賞ですね。けど来年以降も引き続き大賞候補でしょう6月の最終週は企業各社の株主総会がラッシュです。議決権行使助言会社の賛否推奨レポートも把握して、賛成率の向上に必死に取り組んでいる企業も多いかも知れません。 本日は株主総会で一番質問しやすいROEについて整理します。今更感もありますが、株主総会の時期も近いということで株主の関心事項と思いますので、あらためて初歩的なテーマについてお話をしたいと思います。 ROE=純利益÷株主資本ですね。このROEを向上さ

          今更ですがROEのポイント ー 株主総会の時期ですので、個人株主・ビジネスマンの方向けにポイントを簡潔に整理しました

          IHIが議決権行使助言会社ISS社のレポートに対して反論- これは参考になりますね。海外投資家に響くかも知れません

          ISS社の反対推奨の理由昨日、IHIが次のプレスリリース「ISS 社の議決権行使助言に対する当社の見解について」を公表しています。 https://www.nikkei.com/nkd/disclosure/tdnr/20240604520431/ 内容としては、IHIが来る6月26日の株主総会で取締役選任議案としている取締役候補者の満岡次郎、井手博の2氏に対して議決権行使助言会社のISS社が反対推奨をしているところ、その推奨結果に対して反論をしているというものです。

          IHIが議決権行使助言会社ISS社のレポートに対して反論- これは参考になりますね。海外投資家に響くかも知れません

          ビジネスマンのためのさくっと分かるコーポレートガバナンス ー トヨタ自動車の会長選任議案に議決権行使助言会社が反対の意味(前回の補足です)

          海外機関投資家は全てISS社の基準に従うのか?前回、トヨタ自動車の会長選任議案に議決権行使助言会社のISS社が反対推奨したことについて次のお話をいたしました。 この際に海外機関投資家の多くがISS社の反対推奨に賛同するということを書きましたが、少し正確にお話をします。 ISS社の基準を採用する機関投資家が多いのが現実ですが、海外機関投資家の中には、ISS社でない助言会社もいます。それはグラスルイス社です。時々、新聞報道でも目にされるかと思います。海外機関投資家の中でグラ

          ビジネスマンのためのさくっと分かるコーポレートガバナンス ー トヨタ自動車の会長選任議案に議決権行使助言会社が反対の意味(前回の補足です)

          ビジネスマンのためのさくっと分かるコーポレートガバナンス ー トヨタ自動車の会長選任議案に議決権行使助言会社が反対の意味

          米助言ISS、トヨタ豊田章男会長の再任反対株主総会の時期も近づき、新聞では株主総会関連の記事が増える時期になりました。株主総会の関連用語は、機関投資家や企業でIRなどを担当される方以外には、結構、理解が難解な言葉も多いと思います。 「ビジネスマンのためのさくっと分かるコーポレートガバナンス」でも今後、日経新聞等での総会関連のネタも分かりやすく解説をしたいと思います。 本日の日経新聞で次の記事がありました。 本日はこの記事についてどう読めばよいか解説をしたいと思います。

          ビジネスマンのためのさくっと分かるコーポレートガバナンス ー トヨタ自動車の会長選任議案に議決権行使助言会社が反対の意味

          ビジネスマンのためのさくっと分かるコーポレートガバナンス ー 政策保有株式の開示の適性さの調査まで来ましたか。政策保有株の保有が「見せかけ(ウオッシュ)とは?」

          純投資とそうでない株式とは?本日の日経新聞で次の記事がありました。 金融庁が政策保有株式の縮減に向けて一気に加速する感じですね。 企業が保有する株式は、ざっくりと純投資株式と純投資目的以外の株式に分かれます。純投資とは、株式値上がりの利益や配当金の受け取りなどによっての利益確保を目的としている株式投資のことを言います。個人投資家の株式投資などまさしく純投資ですね。株式投資と言えば、普通は純投資です。 一方で、純投資目的以外の投資株式があります。いわゆる政策保有株式ですね

          ビジネスマンのためのさくっと分かるコーポレートガバナンス ー 政策保有株式の開示の適性さの調査まで来ましたか。政策保有株の保有が「見せかけ(ウオッシュ)とは?」

          ビジネスマンのためのさくっと分かるコーポレートガバナンス ー 「同意なき買収」とは何?何故最近増えているの?

          同意なき買収先日の日経新聞で次の記事がありました。 「同意なき買収」という言葉は最近、ニュースや新聞で目にすることが多いと思います。本日は、この同意なき買収とは何であるか?何故増えているのか?について簡単にお話をしたいと思います。まずこの「同意なき買収」の言葉の定義ですが、どういう意味でしょうか? 同意なき買収とは、買収対象会社(=買収のターゲットとなっている会社)の経営陣の賛同を得ないままなされる買収のことをいいます。数年前までは敵対的買収と言われていました。 誰に

          ビジネスマンのためのさくっと分かるコーポレートガバナンス ー 「同意なき買収」とは何?何故最近増えているの?

          持ち合い株の解消が加速 ー 安定株主は確実にいなくなります。けど企業はそんなに心配することはないかなと思います

          持ち合い株の縮減が加速先日の日経新聞で次の記事がありました。 東証プライム上場企業の約7割に当たる約1100社が3月末までに持ち合い株の削減方針を示したことが分かったようです。これまでも各種メディアで持ち合い株(以下、政策保有株式と表現します)の記事は結構出ていますが、やはり縮減は加速していますね。 数年前まで政策保有株式の縮減に関する方針について、原則として保有しないということを明確に打ち出す企業はまだ多くはなかったですが、最近は増えています。毎年着実に政策保有株式を

          持ち合い株の解消が加速 ー 安定株主は確実にいなくなります。けど企業はそんなに心配することはないかなと思います

          東武鉄道が買収防衛策を廃止 ー 廃止のプレスリリースの読み方

          東武鉄道が買収防衛策を廃止Twitterでも記事を引用しましたが、東武鉄道が買収防衛策を廃止することを決定したようですね。東武の株式時価総額は約5800億円です(本日時点)。大型銘柄で買収防衛策を持っている企業は今の世の中珍しいですが、とうとう廃止を決めたということですね。プレスリリースは次のとおりです。 https://www.tobu.co.jp/cms-pdf/disclosure_documents/20240516150343GfuVYfgIlOxfZNfDAz

          東武鉄道が買収防衛策を廃止 ー 廃止のプレスリリースの読み方

          ビジネスマンのためのさくっと分かるコーポレートガバナンス ー PBR1倍超え6割。何故PBRが最近ホットな話題なの?(前回のお話の続き)

          前回のお話はこちらになります。 経営がリスクに晒されます今回はこの続きです。PBRが最低でも1倍を超えるのが今の世の中の要請ということは認識されているビジネスマンの方は多いと思います。再三にわたり新聞報道もされていますしね。では、PBR1倍割れだと何がマズイのでしょうか? それは会社の経営の安定性が欠けるリスクが大ということです。これはどういうことかと言いますと、アクティビストに入られ、会社経営がアクティビストによって揺さぶられ、安定した経営に支障が生じるリスクがあるとい

          ビジネスマンのためのさくっと分かるコーポレートガバナンス ー PBR1倍超え6割。何故PBRが最近ホットな話題なの?(前回のお話の続き)

          ブラザー工業がローランドへのTOB価格を引き上げず ー プレスリリースを公表

          ブラザー工業が事実上の買収断念今週から企業の通期決算発表が本格しましたね。半ば以降には各社の決算説明会が開催されますので、来週からは、業務時間中もスキマ時間を見つけては、色々な企業の決算説明会資料のチェックにあけくれる予定です。 さて、前にブラザー工業がローランドDGに同意なき買収をしていることを記事に書きましたが(最後に再掲しております)、今般、ブラザーはTOB価格の引き上げをせず、買収を事実上断念した旨の報道が次のとおりありました。 5月9日にブラザー工業が次のとおり

          ブラザー工業がローランドへのTOB価格を引き上げず ー プレスリリースを公表

          持続的な企業価値向上に関する懇談会 ー 6月を目途に課題整理

          持続的な企業価値向上に関する懇談会が設立経産省が4月30日に「持続的な企業価値向上に関する懇談会」を設立しました。背景や問題意識は次のようです。 要は伊藤レポート策定時から政府が主導してコーポレートガバナンス改革を進めてきましたが、当時の課題に対して、企業や投資家はどう取り組みをしてきて、今後の対応をどうしていくかを検討するということのようです。5月から開催し、6月を目途に課題整理を行う予定です。 「伊藤レポート以降の 10 年間の振り返り」が今後の肝ですね。第1回懇談

          持続的な企業価値向上に関する懇談会 ー 6月を目途に課題整理

          ビジネスマンのためのさくっと分かるコーポレートガバナンス ー PBR1倍超え6割。何故PBRが最近ホットな話題なの?

          PBR1倍超え企業が増えています先日の日経新聞に次の記事がありました。 PBRという言葉は日経新聞を読んでいる方は、ここ1~2年で頻繁に目にされている言葉かと思います。意味は分からなくとも社内の会話で耳にされることもあるのではないでしょうか。 3~4年前までは一般の事業会社の方には、経営トップも含めて全く馴染みのない用語であったかと思いますが、今やPBRはビジネス用語の1つかなと私は思います。ということで、今回はこのPBRについてさくっと解説したいと思います。 PBR

          ビジネスマンのためのさくっと分かるコーポレートガバナンス ー PBR1倍超え6割。何故PBRが最近ホットな話題なの?