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私を変えた、人生最悪ウィーク。その2️⃣

息子の初めての骨折、一晩放置した罪悪感と情けなさに打ちのめされた時、一応報告しておこうと、実家の母に電話した。
その時期、ちょうど私の父がオーバーワークで鬱病を患っており、最近調子がかなり悪いと…
「何か声かけてあげて。あんたの声聞いたら少しは元気になるから。」
と言われて電話をかわった。
「最近調子が悪くてなぁ…しんどいなぁ…」
まるで別人のようなか細い弱々しい声だった。
しばらく連絡していなかった間にずいぶん変わったなと思いつつ、
「大丈夫だよ。もう少し頑張れば楽になるから。」
(これは言ってはいけない言葉だと、後で学んで気づいた)
私も落胆してる時でしんどかったし…。

月曜日に学校で怪我して、
火曜日に病院で骨折と言われて、(この日に両親と電話)
ギブスにも慣れてきた、金曜日の朝だった。
妹から、
「お父さんが自殺を図った」と。
前々から母は危険を予知して刃物関係は全て隠していたらしい。でも、前の日に障子の張り替えに使った、切れの悪いカッターナイフを隠し持っていたらしく、早朝お風呂場で首を…
幸い切れ味の悪いカッターだった事と、母が早い段階で気がついて救急車を呼び、搬送される途中輸血をし、なんとか一命は取り留めた。
今、集中治療室にいると…
私は、すぐに学校に子供達を迎えに行き、一緒に新幹線に飛び乗った。
子供達には、おじいちゃん病気になったからお見舞いに行くよとだけ告げて。
何も知らない6年生の娘と、初骨折でギブスしてる息子は不自由ながら少し楽しそうだった。

子供達は会えないとの事で、私だけ集中治療室に面会に行った。
私の姿を見た父が開口一番発した言葉が
「なかなか、切れないんだよ…」
もう涙しか出てこなかった。わざわざ遠くから子供達を連れて駆けつけた娘への言葉が…
こんなに悪くなっている事に気が付かず、数日前電話で適当に返してしまった事をものすごく後悔したし、
母がどれだけ大変な思いをしながら側にいたのかと思うと胸が押しつぶされそうな感じがした。

私達が病院に行っている間に、妹の旦那さんとそのお母さんが綺麗に掃除を済ませてくれていた。私と母が帰宅した時辛くないように…(本当に感謝しかない)
夜、あえてそのお風呂に子供達と入った。お風呂に響く何も知らない子供達の笑い声が、何か浄化してくれる感じがして…私だけ大泣きしていたが、お風呂の中だから気づかれてないと思う。

私が生きてきた中で、この1週間はある意味地獄。
子供がありえない事で骨折して、危うく父親をなくすところだった。

つづく

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