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[書評] 少しだけ昔を語っても? ~私が note を始めるまで~

みなさん、こんにちは。Naseka です。
私は 哲学者・書評家・エッセイスト として、
自らを定義しています。

私は 話題の本を読むのは嫌い
…とまではいかないが、
実際のところ興味はない。

流行を追うよりも
「自分の読みたい本を読む」のが信条だから、
新刊情報だって 基本的に追うことはない。

書店で平積みされていれば
「面白そうな本はあるかな?」と
眺めてはみるけれども、
それが新しいとか古いとか、
人気があるとかないとか、
そんなことはどうでもいい。

世間の流行を意識して読むのは、
せいぜい「話題作りのため」くらいなもの。
もちろん、それがキッカケで
ハマる本もあるのだけれども。

そんな私だから、
これまで書いてきた書評は
基本的に発売されてから
日が経った本が多かった。
比較的 新しめの本でも、
発売から数カ月とか。

それが今回は発売から
1週間も経っていない本の書評。
なにしろ、発売日に購入したからね。

note の世界の一部では、
発売日の前から話題になっていた本。
だけど、例によって
周りの話題性なんか関係なし。

私が日頃から お世話になっていて、
そして note の先輩として師事していて、
何より大好きな推し noter の出した本だから
買ったまでのことだ。


著者:クロサキナオ とは

この本は note の世界に輝く
クロサキナオ さんが、
社会人になってから
note を始めるまでの自伝だ。

つい先月(2024年6月)に
note 2年生となったナオさん、
活動歴1年余りとは思えぬ躍進と人気ぶりに
驚いている方も多いことだろう。
かくいう私も そのひとり。

note の世界では約半年後輩にあたるのだが、
たった半年違いとは思えぬ人気と実績に
度肝を抜かれたものだよ。
まるで何年も経験を
積み重ねていたように思っていたからね。

カリスマ noter の前日譚

起業に至った理由ワケ

だが、そんなナオさんも note の外を含めた
「人生」というスパンにおいては
決して順風満帆に歩んできたわけではなかった。

今でこそ経営者として大成されているようだが、
はじめから起業精神にあふれていたわけではない。

むしろ その始まりは突然に訪れる。

昨日まで「○○社の△△さん」だった自分が、
ある日を境に「何者でもない」自分になる。

彼女の場合は自主退職ではあるが、
会社員として身を立てる自分としては
とても他人事には思えない。

私も今の勤め先には思うところがあって
そう遠くないうちに
決断をしようと考えてはいるが、
この本に出てくる
「ファイルを買うのに悩んだ話」は
非常に考えさせられた。

私は趣味のひとつで家計簿をつけているのだが、
幸か不幸かそれ故に 自分の今の暮らしが
どれくらいの支出で
成り立っているのかが 分かってしまう。

「もしこれを会社に依存しないで
 やりくりしようと思ったら…」

そう考えては背筋が寒くなる。

「たられば」の話ですらそうなのに、
彼女の場合はそれが
現実に直面する問題だったのだ。
しかも周到な計画と用意の上に
踏み切った起業でもない。
その不安たるや、どれほどのものだっただろう。

また、起業してから順調に右肩上がりの成長を
続けてきたわけでもない。

紆余曲折、山あり谷ありというと
陳腐な表現になってしまうが、
事業内容のこと、顧客のこと、事業のこと、
様々な課題と困難に直面しては
乗り越えてきた日々がある。

仕事の話なら
「精神的に不安定になる環境で
 働くべきではない」
これが一番 印象に残ったな。

「利益がいいから」「儲かるから」だけで
仕事を選ぶのも良し悪し。

実はこれ、今の私の抱えている葛藤と重なる。
給料が悪くないからと、
今の環境を受け入れ続けていいのだろうか。

別に この本が理由で
職を変えるつもりはないけれど、
もしかしたら誰かの人生を変えうる1冊に
なるのかもしれない。

起業から最初の1年だけでも、
その起伏や振れ幅は大きい。
読んでいて思わず
「これが1年間の中の出来事なのか!?」と
ツッコミたくなってしまうほどだった。

だからこそ 彼女が今 note で書く文章にも、
重みと深い洞察が込められているだろう。
そう考えると、ようやく彼女の note での
勢いの理由も納得がいった。

父親とのエピソード

仕事の話とともに
もうひとつの柱となるのが「家族」、
とりわけ「父親」とのエピソード。

やはり人の性格が十人十色なように、
親子の関係だって人それぞれ。

全員が全員、良好な関係とは限らないし、
だからといって互いに
いがみ合っているとも限らない。

特に父の最期の話は、
ちょうど最近 身内で
同じようなことをした人がいるから
いろいろと考えさせられることが多かった。

当人の辛さ、
残された人の悲しさ、
こうなる前に
もっと話ができていたらなぁ…という後悔

人生には取り返しがつかないこともあるけど、
そこで何を思って 何を考えるか、
その経験の積み重ねが
ひとりの人間を形作っていく。

ビジネスパーソンとしてだけでなく、
私人としての側面の話。
その双方を知ることで、
「クロサキナオ」という人物が
立体的に見えてくる。

イタイ目にあって

私の好きな言葉に
「本を読む者は 読まない者の
 数倍の人生を生きている」
というものがある。

もちろん経験した本人に比べれば、
読書による学びなんて微々たるものだ。
それでも他人の足跡を学ぶことで、
自分の人生を少しでも良いものに
変えていけたらいいと思う。

私は ピンチに追い込まれて
対応の必要に迫られても、
巧く・力強く立ち回れない。
アドリブが苦手なのだ。
だから私は平時から学んで、危機に備える。

この本は、その教科書になる1冊だろう。

まとめ

好きな人の過去を知る。
そうすることで、その人をもっと好きになれる。

ナオさんは、私とくぐってきた修羅場が違う。
そりゃあ 敵うわけがない。

頭で分かってはいたけど、
常にどこかで焦りがあった。
いや、たぶん これからも
その焦りはゼロにはならない。

でも、自分は自分。
今はこの本のような、苦労話のネタ集めの最中。

note 2年生で このレベルは
到底 無理かもしれないけど、
いつか私もこんな風に
自分について語ることができたらいいな。

そんなふうに思わせてくれる本である。

こんな人にオススメ!

・全ての「クロサキナオ」ファン
・起業について考えている人
・経営者の悩みや苦労について興味がある人
・親子の関係について考えたい人

こんな人には合わないかも…

・他人の人生に興味がない人

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