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健康マインド(児童文学)いい子だけじゃない❗那須正幹③

1975年「屋根裏の遠い旅」は3歳で広島で被爆した那須正幹は原爆症の発病はなかったが、戦争の体験は風化しない出来事でした。
戦争体験を過去の物にするのではなく(現在進行形の戦争児童文学)に挑戦しました。
その後に発表した(ぼくらは海へ)との2作品は新しい児童文学の挑戦と受け止められましたが、評価は高くはなかったようてす。
その理由は(読後の不安感)にあるとの表記が残ります。つまり(こんな悲惨な戦争は2度と起こすべきではない!)メッセージで終わらず、いつまた戦争が起こるかもしれない認識が読者に不安感を与えるので児童文学としての評価が低い理由の様です。

1980年出版「ぼくらは海へ」

作者の那須は、いつでも戦争は未来に起こり得るし、その火種は常にあり続ける事を伝えたいと考えて、作品化しているとの事で、その想いの作品群はずっと創作します。

いっぽう、1978年に発表した(ズッコケ三人組)ではエンターテインメントとしての作品で児童文学者としての地位を確立します。

両面の作品群の創作を続けた那須正幹の才能に驚嘆します❗
特に(屋根裏の遠い旅)の様な作品が今、求められている児童文学として再読、再評価されるべきだと私は考えます。

1984年出版「折鶴の子供達」

続く。

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