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どこの誰かはすぐわかる!?警察が犯人を特定する方法

どうやって「どこの誰か」を特定しているのか

 先日の記事で、防犯カメラのリレー捜査等、犯人の疑いがある人の足取りを追跡する捜査について解説しました。

 警察などの捜査機関が、その人の足取りを追跡するのは、追っている人物(多くは犯人)がどこの誰かを特定するためです。特定できるまで、あらゆる手段で追いかけます。
 今回は、足取りを追う捜査のゴールとも言える「どこの誰かが特定できる場面」について解説します。

どこの誰かが特定できる場面

自宅まで足取りを追跡することが出来たケース

 その人がどこの誰かを特定するうえで、もっとも単純で確実なものが、その人物の自宅まで防犯カメラ等の追跡ができた場合です。前回の記事でも言及しましたが、都心であればいたるところに防犯カメラがありますので、決して珍しいことではありません。

利用した自動車が特定できたケース

 追跡している人物が自動車に乗るのが防犯カメラに映っているようなケースがあります。その場合、捜査機関は防犯カメラの映像を解析して、自動車のナンバープレートを読み取ろうとします。ナンバーがわかれば登録者を特定することができるからです。追跡していた人物自身の車でなかったとしても、持ち主から辿っていくきっかけを得ることが出来ます。
 防犯カメラの映像は、一般的にそれほど鮮明に映るわけではありません。しかしそれでも、コンビニの駐車場に設置された防犯カメラを解析すれば、ナンバープレートの数字を読み解くことくらいは十分に可能です。

クレジットカードを利用したケース

 タッチ決済などが普及し、現代ではクレジットカードの利用が非常に容易になっています。コンビニでの買い物等、少額でもクレジットカードを利用する場面が増えています。クレジットカードを使う姿が防犯カメラに記録されていた場合、そこからその人物を特定することは警察であれば容易です。
 まず防犯カメラに映っている人物がレジで決済した時刻を映像データから特定します。次にレジに残っている記録(ジャーナル)から、その時刻に行われた精算処理に用いられたカードの番号を特定します。そして最後に、カード会社に対して「この番号のカードの契約者は誰か」を問い合わせることによって、特定に至るのです。

SuicaやPASMO定期券を利用したケース

 定期券の場合、SuicaやPASMOの番号は定期の購入者のデータと紐づけられています。駅の改札に設置された防犯カメラを見れば、その人物が改札を通った時刻を特定することが出来ます。警察は鉄道会社に対して、その時刻に改札を通過したSuicaやPASMOの番号を問い合わせます。この時点で、そのSuica等が定期券だった場合、名義人も特定されます。
 もちろん、使ったのが名義人本人ではないかもしれませんが、その場合には名義人から話を聞くことで特定に至る可能性は高いでしょう。

身分証を提示したケース

 盗品を売るために質屋で手続きをした。寝泊まりするために漫画喫茶やホテルに立ち寄った。これらはいずれも受付で身分証の提示を求められる手続きです。そのような姿が防犯カメラに残っていることが確認できれば、警察はそのホテル等へ連絡し、防犯カメラが捉えた手続き時に提示された身分証を取り寄せます。

特定のきっかけとなる場面は多々ある

 どこの誰かが特定される行動というのは、意外と多いです。上記以外にもたくさんあります。いずれ特定されてしまう危険は十分にあります。逃げおおせることは、相当に難しいことだと思われます。


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