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逮捕された家族に会いたい!面会の方法と注意点をプロが徹底解説

こんにちは、弁護士の髙野です。
「ご主人が逮捕されました」―― この一報は、家族の日常を一瞬にして非日常へと変えてしまいます。突然の出来事に動揺し、混乱する中で、まず知りたいのは「逮捕された家族にどうやったら会えるのか」ではないでしょうか。今回は、逮捕された家族との面会について解説していきます。


逮捕後の身体拘束の流れ

まず、逮捕後の身体拘束の流れを簡単に説明しましょう。
逮捕されると48時間以内に検察庁に送致されます。ニュースで逮捕された人の写真を見かけるのは、多くがこの送致の場面です。
その後、検察官がより長期の身体拘束(勾留)が必要と判断すれば、裁判所に勾留を請求します。東京の場合、検察官との面談の翌日に裁判官との面談があり、裁判官が勾留の必要性を認めれば10日間の勾留が決定されます。
逮捕された人は、通常、逮捕した警察署内の「留置施設」で生活することになります。ただし、例外が2つあります。
1つは共犯者がいる事件の場合です。捜査機関としては共犯者同士の話し合いを避けたいため、別々の警察署に振り分けられることがあります。例えば、新宿警察署で捜査している3人逮捕の事件では、主犯格とされる人物は新宿警察署に、他の2人は原宿警察署や野方警察署といった具合です。
もう1つの例外は女性の場合です。東京23区内では、女性が生活できる留置施設は原宿警察署、湾岸警察署、西が丘分室(板橋区)の3か所しかありません。女性の場合、捜査している警察署に関わらず、この3か所のいずれかで生活することになります。

面会できる日、できる時間、できる回数

では、実際に逮捕された家族と面会するにはどうすればよいのでしょうか。
まず、面会できる日時について説明します。一般の方が警察署で面会できるのは平日のみで、受付時間は9時頃から16時半頃までが多いです(12時~13時は昼休みで面会不可)。1回の面会時間は15分から20分程度で、1日1回しか面会できません。また、一度に面会室に入れるのは3名までです。つまり、逮捕されてしまった息子さんにお母さんが会った後、同じ日にお父さんが会うことはできませんし、両親と祖父母の4名で同時に面会することもできません。
注意が必要なのは、逮捕直後から検察庁送致までの間です。この期間は一般の方の面会が認められないとされていますが、警察署によっては許可する場合もあるので、問い合わせてみる価値はあります。また、検察庁や裁判所に行く日は朝から夕方まで不在のため、面会できません。
勾留が決定されれば、原則として留置施設での面会が可能になります。ただし、警察が被疑者を現場に連れて行っているなどの理由で、面会できないこともあります。

接見等禁止について

さらに注意すべきは「接見等禁止」決定です。これが出されると、弁護士以外の人は家族であっても面会できなくなります。近年、共犯者がいる事件では安易に接見等禁止が付される傾向にあります。

弁護士にできること

ここで弁護士の役割が重要になってきます。 弁護士は適切な働きかけにより、勾留を回避して早期釈放を実現したり、接見等禁止を解除してご家族との面会を可能にしたりすることができます。 また、弁護士には時間や回数の制限なく被疑者と面会する権利があるため、ご家族と被疑者の間の伝言を取り持つこともできます。

まとめ

最後に、私からのアドバイスです。突然の逮捕に直面した場合、できるだけ早く、そして信頼できる弁護士に相談することが重要です。私自身、数多くの刑事事件を担当してきた経験から、初動の対応が事件の行方を大きく左右することを実感しています。
弁護士は単に法的な対応をするだけではありません。ご家族と被疑者をつなぐ重要な橋渡し役となり、この困難な状況を少しでも乗り越えやすくする存在なのです。
もし皆さんの大切な人が逮捕されてしまったら、ためらわずにご連絡ください。苦しい状況を一緒に乗り越えていきましょう。専門家のサポートを受けることで、必ず道は開けます。

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