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【カルチャー】人間が創造的(想像的)であるためには。「自然知能/外山滋比古」を読んで。

著者の代表作である「思考の整理学」は私にとってのバイブルで、折に触れて何度も読み返して、その度にいろんな示唆を与えてもらってきた。

最後に読み返したのは確か1年くらい前だったけど、40年近く前に書かれた本なのに「コンピューターが出てきた今、人間が本来持っている想像力(創造力)を見直すべきだ」という主張を当時からされていたことに驚いた。

そんな外山さんが晩年、人工知能(AI)を自然知能(NI)という逆説を通して語られていたと知ったからには、そりゃもう読むしかないだろうということで読んでみた。

外山さんが今まで数ある著作の中で主張されていたことが書かれてあって、既視感(既読感?)は正直拭えなかったけど、改めて、外山さんが生涯を通じて何を伝えたかったかを再確認できるという点ではよかった。

すぐ読める代物なので、外山さんの著作に触れたことがない方にもオススメできる1冊。とはいえ、一番読んで欲しいのは「思考の整理学」なんだけど。

これまでの人類の歴史に置いて特記されるような業績は、おもしろさの中から生まれたと言ってよい。つまり人間の自然知能の生み出したものである。

われわれが、”おもしろい”ことを求めるのは決して退廃ではない。創造への泉であるといってよい。

本書より

外山さんのこのメッセージに、少しでもシンパシーを覚えたのなら、一読の価値あり。

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