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【カルチャー】最高にカッコイイ写真。Robert Frankの「THE AMERICANS」にまつわる思い出。

この写真を好きじゃねえ奴は要するに詩が好きじゃねえってことさ、な? 詩が好きじゃねえ奴は家に帰ってテレビでカウボーイハットかぶった大男どもが心優しい馬たちに大目に見てもらってる場面でも見てろ。

(ジャック・ケルアックの序文。訳:柴田元幸)

10代のウブな私に、

「この写真カッコよかぜ」

と、

ロバート・フランクの「THE AMERICANS」を
教えてくれたK君。

知的で、
オシャレで、
ユーモアのある彼は、

それはそれはモテた。

ウブで根暗なチェリーボーイのティーンエイジの私は、そんなKに憧れて、彼の真似をしてみたけれど、しょせん猿真に過ぎず、

「あぁ、あいつKの真似してんな」

と周りから言われる始末だった。

「この写真カッコよかぜ」

彼がそう教えてくれた日からかれこれ10数年。

今もロバート・フランクの「THE AMERICANS」は、自宅の本棚に置いている。

私自身、オシャレをすることはあっても、カッコをつけることはしなくなったと思う。たぶん。

でも、この写真集を手に取るたびに思い出すのは、本当のカッコよさを体現していたK君と、それにあこがれて、表面的なカッコよさを真似ていたダサい10代の私。

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