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piccolotakamura
【エッセイ】自分だけの生き方を獲得した人が見ることができる世界。「『普通がいい』という病〜「自分を取りもどす」10講」を読んで。
子どもの頃から何かと変わり者扱いされてきたものだから、普通ってなんだろう?ということについて人一倍考えてきた人生だった。
30になって、普通なんて追求せずただ自分の好きなように生きればいいのさと思えるくらいの厚かましさは手に入れたつもりだったけど、しかし周囲との軋轢はどうにも避けられない。
気遣いが足りない。
自我が強すぎる。
無責任じゃないか。
父親失格。
どれも実際に周囲の人からかけられた言葉である。時には近しい人に。時には遠い人に。
精神科医である著者が本書で示す生き方は、時に人から(私が実際にかけられた言葉のように)揶揄されるような生き方であるように思える。社会は多様性を尊重するべきとは小学生でさえも分かっているような現代であってもだ。
しかし、本気で自分と向き合い、自分だけの生き方を獲得した人だけにしか見えない世界は必ずある。
そんな希望を示してくれた本だった。
というか何よりも衝撃なのは、この本が17年前に書かれた本ということ。
深い感情を信じるということは、「心」を信じて生きることであり、われわれ人間を突き動かしている深い流れ、すなわち「自然」や「運命」を信じるということでもあります。
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