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【ジャーナリズム】よりよい生き方を望んだ戦後の若者たちの足跡。「『働く青年』と教養の戦後史:『人生雑誌』と読者のゆくえ」を読んで。
戦後間も無い頃、高度経済成長期もまだ訪れていない頃、経済的な理由で、大学進学はもちろんのこと、高校進学すらままならず、働きに出た若者たちがたくさんいた。
そのような若者たちの間で熱心に読まれたのが「人生雑誌」と呼ばれる雑誌。
「葦」「人生手帳」という二つの雑誌がその代表格とされていて、一時は10万部近くも発行された。
戦後の若者たちは何を思い生きていたのか、
人生雑誌は若者たちに何を与えたのか、
若者たちは人生雑誌に何を求めたのか。
それらを紐解いていくのがこの本。
そこから見えてくる若者たち姿は、現代の私たちの心にも強く響かせてくれる何かを持っている。
「誰も知らないこんな所にも、こんなにも真剣に生き抜かんとして居る人が居るんだ」
「葦」はそんな人達の作った雑誌だ。
文学者になろうとするのでもない。ましてや地位や名誉を得ようとするのでもない。唯吾々はよりよき生を生き抜かんとして居るのだ。
ただ、よりよく生きたい。
その思いこそ、誰しもが強く持っているものではなかろうか。
ちなみに、この本について紹介されたジャーナリストの佐々木俊尚さんの Voicyも素敵な内容なのでご興味のある方はぜひ。
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