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VTuber『千羽黒乃』から学ぶ

 YouTubeでの活動、動画配信者としては様々な形が作られてきました。ゲーム実況、社会問題提起、顔出し系、等々。その一つの形態として確たる地位となったものの一つとしてバーチャルユーチューバーというジャンルがあります。今回はそんなVTuberとしても活動されている千羽黒乃さんをいくつかの方面から考え、考察して彼女のすばらしさを伝えていければなと思います。


①『千羽黒乃』について

「麻雀歴1000年、ばーちゃる高尾山出身」を自称し、鴉天狗の少女の姿にて活動をしている千羽黒乃さん。ファンからの相性としては師匠や先生なんて呼ばれたりもしています。
 因みにYouTubeでは2018年8月から活動を開始登録者は10万人をこえています。事務所への所属はしておらずいわゆる個人税と言われています。
 さて、そんな千羽黒乃さんですが、自称している内容からもある通り彼女のメインコンテンツは麻雀でネット麻雀の配信を数多く行っております。もちろん、その他のゲームを配信したりすることもありますが。
 さて、これだけ麻雀を推されている訳ですが、その実力は確かなものでネット麻雀『天鳳』では9段、『雀魂』では日本サーバーのランキング1位経験があります。また、その卓越した麻雀力を活かし、プロではないものの雑誌、近代麻雀で連載を持っておられたり、麻雀戦術本を現在(2023年)2冊の本を出版なされています。
 ただ、ここで重要なのは小難しい戦術麻雀、というよりも1から始める方向けの麻雀本となっており非常にわかりやすい内容となっています。
 そんな千羽黒乃さんの魅力をたくさん伝えていければなと思います。

②わかりやすい説明

 先にも述べました通り彼女自身はプロではないものの卓越した知識を持って、渋谷ハジメ氏、鈴木勝氏といった著名なVTuberとも麻雀を教える配信を行っており、優しく、分かりやすく指導をしている姿が見られます。
 この、分かりやすい説明、なんですが麻雀をご存知の方はもちろん、そうでない方もなんとなく用語も多いし難しそう……というイメージがあると思います。事実私もそうだったのですが、そういった小難しい概念などを壊してくれたのが彼女です。用語を全く使わないわけではなく適度に使いながら〇〇だから××となる等その指示をするそうに合わせて最適な情報を提供するのです。
 これは、やってみると案外難しいもの……。これをしっかり行えるというのは自身がキッチリとした知識を持っておりロジックがしっかりして、かつ相手のことを思いやれる力がある、ということだと思うんです。
 この相手を思いやる力、というのは彼女は特に感じられます。配信の節々で他者のミスをキッチリ受け止め励ます、出来たことはしっかりとほめる、そういった様子がたくさん伺えます。
 ただ甘やかすだけではなく、きちんと指摘する部分は指摘もされます。ここはこうしたらいい、等のお話をします。また、どうしてこうしたらいいのかをロジカルに説明をしてくれるので、ストンと納得しやすいのも素晴らしい点。
 この分かりやすい説明、試しにですが皆さんの得意分野を、初めてそれに触れる人に説明する立場になったとして、どれだけできるか試してみてはいかがでしょうか。私がこれだけ褒めてしまう理由が分かると思います。

③真摯な対応

 千羽黒乃さんの雀風(麻雀のうち筋)は徐々に変形をしており、特に如実だったのが副露(ポンやチーなどを行うこと)から面前型(ポンなどをあまりしないこと)に変わったそうです。その理由として、詳細は省きますが雀荘で働いていた際に、彼女の打ち方に理不尽なクレームをつけられたことが起因となったと語っております。しかもその理不尽クレームから数月にわたり謝り続ける羽目になったとか……。通常であればこのお店を辞めたり麻雀を辞めたり、といったことが起こり得そうですが、負けん気とそして『ワシ(千羽黒乃)の麻雀を作ってくれた皆が負けることになるって思って』と一念発起してお店を続けたそうです。
 相手に対してのキッチリとした変化、柔軟な対応。これは素晴らしい部分だと思います。
 これを見ている方には理不尽なクレームに屈してうち筋を変えたと思われる方もいるでしょう。ただ、そのお客様がやや特殊な方だったというのに加え周りのことも考えた結果のこと。意地を張る部分と折れる部分というのは真の意味での真摯な対応なのかもしれないと思いました。
 また、これにつながる部分でもあるのですが何かを変えていくとき、人を変えるのは大変ですが自身を変える方が楽な部分もあります。この考え方は尊敬する部分があると思う、そんなエピソードです。

④心構え

 先述した麻雀本『麻雀1年目の教科書』の最後の章にて『心構え編』があります。不調を感じたら読んでほしいという前置きの後、書かれている内容に私は非常に驚きました。
 詳しい内容は是非とも読んでもらいたいのですが、麻雀は必ず勝ち負けが産まれるものです。そこで勝ち負けに関わらず麻雀を楽しむ方法なども書かれています。ただ、その内容、それは麻雀に関わらず全てに通じる内容だと思ったのです。
 例えば自身のミスをほめるという部分。これはミスを気付けるようになった、つまり成長をしているということの裏返しだと述べています。また対戦相手のリスペクトという内容も、どうしてリスペクトをするのか、なぜイライラしてしまうのかをロジカルに書かれています。もちろん、このイライラしてしまう心にも寄り添っており、こうしてみたらどうだろうといった案を提出し、読んでいて納得のいくものでした。
 また、麻雀AIが陥った『不調』に関しても触れており、落ち込むことがないという内容をこれまたしっかりとしたロジックで触れています。
 この全てにおいて相手を思いやり、かつロジカルに話す内容というのはたとえ麻雀に興味がなくても触れてみるすごくいい『教科書』だと私は思いました。

⑤まとめ

 今回は彼女の持つ能力、その人間性を基本に触れていましたが同時にお伝えしたいのはあくまでもVTuberであるということ。つまりは一つの娯楽としても楽しめるのは必須です。持ち前のギャグはTwitterでも披露されており周りを爆笑の渦に包んでおります(要出典)。
 また、ショタコンであるとも公言してそのことをいじられることもあったりとユニーク溢れる部分もあります。個人的には弄られているときの彼女もまた輝いている気がします。
 そんな千羽黒乃さん、ぜひとも一度ご覧いただけますと私も嬉しく思います。

千羽黒乃さんの各ホームページURL
千羽 黒乃:Senba Channel(YouTube)
千羽黒乃 @senba_crow(Twitter)
千羽黒乃 (pixiv)
麻雀一年目の教科書(Amazon)


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