料理人の作るチャルメラ

チャルメラは、俺が子供の頃からあるインスタント袋麺である。
美味しいが、特別美味しいのでもない。
ただ、袋麺の中ではやはりトップクラスのおいしさだな。
学生時代とかひとりで作る時は、具材も切った魚肉ソーセージにもやしと海苔程度のチープなものだった。

俺のいた会社では結婚式場とかも経営していた。
俺は別部署の事務だったが、繁忙期には日曜日や祭日には、結婚式場の部署からヘルプ依頼が来るのだった。式場のサービスマン、パントリー、そして厨房の盛り付け。
サービスマンとパントリーは、大体10:00出勤で終わり次第終了だった。そして当然代休は取れた。
一方厨房のヘルプは、もっときつかった。
5:00からで、11:00くらいには終わったけどね。
1番早かった時は、4:00出勤だった。
盛り付けの俺たちが5:00とか4:00の出勤だったから、現場の調理人は4:00とか3:00の出勤だっただろうな。だって、盛り付ける料理を作ってないといけないから。作るのは俺たちの出勤する時間でも下拵えがある。
煮物の盛り付けなんかは、割と楽。
お頭付きの鯛の焼き物は、背鰭が針になってて手に刺さると大変だから、1番嫌だった。
刺身の盛り付けは、見本の並べ方通りにするのに苦心した。
蕎麦とかは、一人前を分けるだけ。ツユは披露宴の時にパントリーでサービスするので。

大体7:00から朝食で休憩だった。
式場のビルには経営するレストランもあったから、そこでモーニングを食べられた。コーヒーはおかわり自由。8:30くらいまで、コーヒーを飲みながら、休んでいた。
そして、また盛り付け。
で、10:00とかには作業終了するから、掃除を手伝い11:00とかには解散。
ただ、本当の繁忙期には1つの結婚式場で3回転していた。
披露宴終了すると厨房からも人が入り、どんでん。
そして、次の披露宴の準備に入る。
こうして、忙しい時は午後3:00とかまで仕事だった。
こういう時は、昼も賄いが出る。
運がいいと料理人の作った丼や残った料理をおかずにご飯。
ある日は、調理人がチャルメラを作っていた。
具材は普通のラーメン屋のラーメンより豊富。
そして、味付けも添付のスープだけでなく、調味料を使い調節していた。
これが美味かった。プロの料理人が作るとインスタント袋麺も下手なラーメン屋のラーメンより美味くなるのだ。
それがわかったね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?