10年前の私に向けて 子供の1歳半検診で発達に心配があると言われたその夜の私へ
10年少し前、子供の1歳半検診で、ちょっと発達に心配がありますね、お母さんお子さん育てにくいと思ったことないですか?と言われたあの日。
生まれたその日から、ミルクを飲んでも泣き止まず、たまにこんな赤ちゃんいるのよね、と助産師さんには言われて、抱っこで揺らさないと眠らない子供。
おろすと起きてしまう赤ちゃんには背中スイッチがあると知って、明けない夜はないと抱っこしながら寝室で歩き回った日々。
ベビーカーは嫌がって暴れまくるけど、すぐ走り出してしまうから次の子を妊娠しててもおんぶ紐でできる限りお出かけ。
それでも、可愛い我が子のことを育てにくいなんて思ったことはなかった。
育てにくい、と聞いて思い当たることが次々出てきても信じられない。
この子はどう育つんだろう、先が見えなくて一人世の中から放り出されたような心細い気持ちになったあの日の私に伝えたい。
大丈夫だったよ、と。
図書館で借りた幾冊かの育児書は、私には高圧的なアドバイスに感じられて辛くて途中で読むのをあきらめた。
ネットの中に答えを探して調べて調べて、佐々木正美先生の「子どもへのまなざし」がいいですよ、とおすすめされていたのに縋って、著作を何冊も読んで、最後に「育てにくい子と感じたときに読む本」にたどり着いた。
手のかかる子や、要求の多い子は蘭や菊の花なんですよ。手をかければ見事な大輪の花を咲かせます。
この言葉にどれだけ励まされたか。
この言葉を信じようと決意して、時折読み返しては、うんと手をかけて育てました。
成長した我が子は、国語の学習障害。
理科や数学はできるのに、国語はからきしダメ。
でも優しくて素直な中学生になりました。
まだまだ子育ては続くけれど、やっぱり手はまだかかるけど、あの日の不安はない。
タイムマシンがあったら、成長した子供の姿、あの日の私に見せてあげたいな、と思うのです。
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