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オープンカーへの愛を語る フィアットバルケッタ

結婚してから子どもが生まれるまでの数年間、フィアットのバルケッタという黒のオープンカーに乗っていた。

2シーター左ハンドルマニュアル車。オートマ限定だった私は、この車に乗りたくて限定解除のために教習所に通った。30過ぎて再び教習所に通うのは居心地が悪かった。教官からの鬼指導に、ハイっと可愛く答えるには年がいきすぎて違和感ハンパないのだ。さほど運転上手でもなく、若くもないからエンストばかり繰り返したけれど、なんとか一回で合格した記憶がある。

バルケッタは、中古で160万円だった。車を買う予定もなかったのに、どこかの何かで写真を見てしまい、この形に一目惚れ。それまではトヨタのカリーナという、ほぼカローラと同じ運転しやすい車に乗っていたのに思い切ったものだ。限定解除までは夫に運転してもらった。夫も必死そうだった。

でも、皆オープンカーは一度は憧れるでしょう?

オープンカーの良さは秋から春である。涼しい季節の方がいい。カラッと晴れた冬が最高だ。足元は暖かで頭だけ風で涼しく頭寒足熱しゃっきりする。座席が狭いから暖房がよく効く。乾燥対策だけはしっかり。紅葉とか桜の道をオープンカーでドライブする楽しさ。運転する楽しさが凝縮された車だった。あんまりスピードが出ないところも良い。ただのんびり楽しむ車。

トランクも小さい。荷物なんて少なくていいのよ、と潔い。リモワの小さめスーツケース一個入るといっぱい。これで温泉に1泊旅行。映画の一場面みたいに素晴らしかった。

運転は、しにくい。トヨタのような痒いところに手が届く感じは一切ない。バックしながらの駐車でサイドミラーを見ても見たいところは見えない。シルエットのかっこよさに振り切ってるんだろう。内装が少しちゃっちくてルーフトップの開閉も手動なのに、座席シートは本革なのもメリハリが効いてて素敵だった。

長男が赤ちゃんの頃、夫が仕事でもう一台の車を使う日に、ベビーシートを助手席につけて予防接種に連れて行ったあと、楽しいけれどもやっぱり無理があるなと乗らないまま、しばらくして手放した。

今でも、あの車楽しかったなと思い出す。

おばあちゃんになったころに、車がないとちょっと不便かな、くらいの田舎に住んで、もし叶うならば今度はオートマ右ハンドルで、2シーターのオープンカーに乗りたいなぁ。

皆さんの思い出の車はどんなですか?

読んでいただきありがとうございました。
良い一日を。

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