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ちょっくらシルクロード横断してきます〜中東・アジア旅行記ep43〜

第五章 シリア ダマスカス編
三十路センチメンタルジャーニー
ep43、高級住宅街とタクシードライバー 2006

 やっとたどり着いたツーリストインフォメーションで、念願のダマスカスの詳細な地図をゲットすることが出来た。こんなに時間をかけて詳細なダマスカスの地図が必要な理由はクネイトラ特別許可申請事務所の場所を知ることだ。

 クネイトラとは1967年中東戦争においてシリアVSイスラエルの(シリアが宣戦布告したがあえなく返り討ちにあう)の際、イスラエルに占領されてしまったゴラン高原(地図帳参照)にあった小さな町である。

 最前線になったこの小さな町は生々しく戦争の傷跡をのこしたまま現在にいたる。現大統領の父親である前大統領は、「イスラエルは戦争中にこんなに酷いことをしたんだ!!」というプロパガンダのため、「リメンバーゴラン高原」の名の下に攻撃にあったこの町を廃墟のまま残した。

 現在でもゴラン高原はイスラエルの実質占領下にあり、そちら側にも軍隊は駐留しているものの、ある意味では観光地となっているようだ。ただし、ここは現時点でも休戦状態ではあるが戦争の最前線であることには変わりないので、国連の平和維持部隊が駐屯し、停戦監視をしている状態だ。

 このクネイトラにいくのにはまずダマスカスのはずれにある申請所でパーミット取得しなければならない。この申請所がまたややこしいところにあった。とりあえずツーリスインフォメーションで申請場所と申請出来る時間を教えてもらったのだが、今日中にクネイトラに行くためにはなんせ時間がない。

 とにかくここは背に腹は変えられんということで、表に出たタイミングでちょうど来たタクシーを拾う。とりあえず行き先を告げるが、このタクシードライバーのおじさんは、外国人とは思わず乗車させてしまったみたいで完全にフリーズしている。そして終始無言。おいおいこちらは時間が無い、とにかく行くのか行かないのかどっちだ!的なのりで運転席に身を乗り出すと、また、無言で走り出した。正直何だったのか良くわからない。
 
 走り出したタクシーは、高級住宅街のような場所に入っていく。そしてそういった大豪邸の前にはライフル銃をもった兵隊や、サングラスにスーツ姿のごっつい警備員が沢山いて、重要人物の家が密集してることが素人目にも一目瞭然であった。

 タクシーのおっちゃんはもしかすると、外国人をこの場所に連れて行っていいのかと思案していたのかもしれないなとちょっと同情した。もし僕が、この高級住宅街でなにかしでかしたりするやつだったら、彼の人生もやばいんだろうな。


読んでくれた人へ
 今後、定期的にシルクロード横断日記や行きたいけど行けないという悶々とした気持ちで書いた、脳内妄想旅行の計画などをアップする予定です。お暇なときにでも、そちらも読んでやってください。ありがとうございました。スキをしてくれると僕のテンションが上がります。ファローしてくれたらうれション状態です。よろしくお願いします。人生の無駄遣い万歳^_^

HPやってます。いろいろな旅行関連記事を書いているのでよかったら寄ってみてください(^^)


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